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エッセイSP(スペシャル)

コップの水

冴木 あさみ

2017年12月 4日

 十二月多くの人が使う常套句「早いもので今年も残すところ…」
 砂時計の砂は最初から最後まで同じ速度で同じ量が落ちていくはずなのに、最後の数秒はあっという間に感じる。十二月に味わう時間の感覚はそれと似ている。
 コップに満たした水が半分に減った時、まだ半分あると余裕でいられるか、もう半分しかないと憂うかを問い、思考傾向や性格判断をすることがある。コップ半分の水論と言うそうだ。単にプラス思考かマイナス思考かの二極を論ずるものかと思いきや、更に踏み込んで分析すると二極に留まらないことが分かる。「半分もある。けど残りは大事にしようと気を引き締める」「半分しかない。けどどうにかなるさ」「半分になろうが何も感じない。なるようにしかならない」等々。人の数だけ心情は微妙に違い、掘り下げれば大変興味深いテーマだ。
 ところで、自分はというと「もう半分しか残っていない」と思う側に大きく傾いている。でもマイナス思考の持ち主だなんて、人には言われたくない。心配性で慎重。いわゆる石橋を叩いて渡るというタイプで、しつこく叩いた末渡らない事もある。これはマイナス思考とはちょっと違う。小心者で猜疑心が強いと言われれば「ううむ」と反論の余地はない。が、全ての事象に逆の見解があることを幸いに「堅実で思慮深い」と勝手に置き換え、決してマイナスではないと自分を励ましている。これも年齢を重ね図太くなった証だろうか。
 十二月に話を戻すと、この一年は不安に包まれていた気がする。今年の大きなニュースはトランプ大統領就任から始まった。この人は本心から大統領になりたかったのかと疑ったが、まだ続けている。金正男暗殺事件は防犯カメラ映像が衝撃的だった。森友・加計問題はきっと暫くは解明不可能だろう。モリカケ問題と称され、お蔭で蕎麦屋の前を通るたび関係者の顔が浮かび気分が悪くなる。北朝鮮のミサイル発射や核実験への恐怖は継続中。どうか最悪の事態にはなりませんように。来年も自民一強政治が続くだろうか。短絡的なやっつけ政策に国民は振り回されるばかり。大企業の転落。人手不足なのに待遇は改善されず、プレミアムフライデーはどうなった。心に残る明るいニュースといったら藤井四段の連勝と眞子さまご婚約くらいではないだろうか。
 過去を憂うのはマイナス思考。来年に希望を持つのはプラス思考。では国境なき平和を願うのは儚い夢か? 希望という名の水はまだ半分残っているのか、はたまたわずかなのか。世界のリーダーたちにコップの水論を語ってもらいたいものだ。

◎プロフィール

さえき あさみ
札幌の街のイルミネーションは寒い日ほど美しい。今年もお疲れ様でした。来年はより多くの幸せが訪れますように。

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