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エッセイSP(スペシャル)

「ちばよしお&ノーチェ・アミーゴ」よ永遠に

梅津 邦博

2017年12月11日

 20年以上前に竹内氏と知り合った。彼はクラシック音楽に詳しく、ぼくは折に触れてはいろいろと話を聞いていた。バッハ、ベートーベン、ブルックナー、マーラー他、魅力的で面白い。そして彼は楽器もやり、ビッグバンド「ノーチェ・アミーゴ」に所属している。
 以来、演奏会があるたびに聴きに出かけて行く。市民文化ホールをはじめとして多くの会場や各地で開かれている。帯広の夏の「平原祭り」では、広小路で「音楽の祭典フェステイバル」が開かれ、楽しみで毎年聴きに行っている。いつも10数人くらいのメンバーで、ジャズやラテンを中心にハートフルで迫力がある演奏ぶりはとても心地よく、会場は多くの聴衆に満ちていた。
 メンバーは、郵便局員、会社員、経営者、公務員、銀行員、自衛隊員他多岐にわたる。Tサックス吉田氏(金庫番)。Aサックス吉江氏(ご意見番)。トロンボーン竹内氏。ピアノ鹿内氏、谷山氏。ベース市原氏。トランペット大森氏、後藤氏。ドラムス角谷氏。パーカッション佐藤氏他多彩となっている。そしてリーダーがTサックス千葉由雄氏である。
 千葉氏は、かつて帯広市内の大型総合病院の事務長として働いていた。1966年、院内で入院患者を励まそうという声により、楽器を使える者たちが集まって演奏会を開いたのがきっかけであった。以来、方向性の問題など分裂の危機を乗り越えながらも演奏活動をしつづけ、今年ついに結成50周年を迎えたのだった。日本でビックバンドといっても少なく、ノーチェは全国的にも名が通ったバンドである。なんといっても50年も続いていることに驚嘆するほかなく、千葉氏の人柄からして、和を持っての卓越したコーディネートぶりが想像される。
 皆それぞれに人生がある。音楽が好きで愛しているに違いない。メンバー達は本業を一生懸命にやりながらも、好きな音楽をバンドの一員としてやっていくために、ワガママや不都合な問題があっても、どこかで乗り越えて活動を続けているのだろう。そのことが今日を迎えている最大の要因ではないか。

 2017年11月10日。帯広市民文化ホール(大ホール)で『ちばよしお&ノーチェ・アミーゴ』50周年記念コンサートがプロミュージシャン等も駆けつけて開かれた。大ホールは1階2階とも満席で、いかにノーチェは帯広・十勝の人々に支持されているかを物語っていた。
 熱気のなかで開演した。ステージ上でメンバーたちはそれぞれに楽しく一生懸命に演奏している華やかな光景に、ぼくはワクワクとなって興奮させられていった。

◎プロフィール

帯広市出身。自営業。文筆家。著書 銀鈴叢書『札内川の魚人』(銀の鈴社)。銀鈴叢書『歩いてゆく』(銀の鈴社)。
北海道新聞朝刊コラム「朝の食卓」執筆同人。

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