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エッセイSP(スペシャル)

さらに・・

たかやまじゅん

2019年1月28日

 50数年前、ラジオから流れてくる欧米のポップス音楽は、日本語でもカバーされるほどの人気を博していた。後にオールディーズと称され、CMのBGMで使われることもあり、そのメロディーを耳にすると懐かしさがこみ上げる世代も少なくない。
 中学校生の頃、ラジオ番組へリクエストをして、「神奈川県小田原市の〇〇さん・・」とフルネームで呼ばれると飛び上がって喜んだ。最近はユニークなラジオネームに変わり、これは20年前に札幌のラジオ番組から始まったとか・・。
 昭和38年、洋楽番組にリクエストをする札幌の高校生たちがレコードを持ち寄り、やがて『ポピュラー音楽を聴く会』としてスタートし、今日まで続いてきた。私も友人に誘われ10年前から参加するようなっていた。
 年に3~4回、会員がジャンル別の特集などで楽曲を紹介し、モノラル盤とステレオ盤の違いや歌手のエピソードなどを交えたウンチクを傾ける。彼らが所蔵する膨大なジャンルのレコードやCDは、ポピュラーに留まらずジャズや歌謡曲まで幅広く、ひとつの音楽文化を形成してきたとも言えよう。
 毎年3月の例会では、私も映画音楽などをテーマに披露し、いつも「元気でまた来年会いましょう」と締め括っていた。この日から次回に向けた準備を進め、昨秋には「年明けから選曲と構成をする」と幹事のTさんへ伝えてあった。
 12月に届いた例会の案内に記されていたのが、「解散」の二文字・・。理由は会員の減少が挙げられ、運営が難しくなったそうな。昭和30年~40年のポピュラー音楽に限られたことも、次の世代を取り込むまで及ばなかったようだ。このところ周りでも、長年続いた〇〇協会や〇〇連盟などの団体や組織が、高齢化により閉会するのを垣間見てきた。
 メンバーにはFMラジオで番組を経験した人たちがいて、私がラジオやトークショーの構成をする際に助言を貰っていた。たとえ集りは無くなっても、知己を得た人たちとは交流を続けたいものである。
 FMラジオの番組に出て10年経ち、年末の放送で相手役の長谷川宏和氏が、「年が明けると11年目、来年からさらに10年を目指しましょう」などと嬉しいことを言う。このひと言が私に新たな気持ちを呼び起こしてくれた。

◎プロフィール

〈このごろ〉テレビ時代劇「鬼平外伝 正月四日の客」を観た。脚本・場面・配役に非の打ち所がなく、さすが池波正太郎の原作であった。

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