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エッセイSP(スペシャル)

家呑み··

たかやまじゅん

2024年7月15日

 コロナ以降、家で呑むことが多くたいがいはビールで、つまみにするのは亀田製菓の〝柿の種〟。そして飲み相手は、夕食後の片づけを終えた家人となった。
 そんな日々が続く中、友人から来札の知らせを受け出掛けてみた。札幌駅前からの街並みは古い建物が取り壊され、そこかしこでビル建築の真っ最中である。数年後、この一帯には高層ビルの建ち並ぶ新しい街が出現するそうな。
 すすきのにある居酒屋に入ると、勤め帰りと思われる人たちの会話が聞こえて来て、昔も今も仕事の憂さ晴らしの酒は変わらないようだ。しばし友人との話も弾んで時が過ぎ、帰路の地下鉄へ向かう。通りを行き交う人に同世代は少なく、なぜか若者たちばかりが目立った。いったい彼らは何をしているのだろうか...まるで世代感覚の違う場所へ来たように思えてくる。
 そして先月、機会あって1年ぶりに帯広を訪れた。駅前からメイン通りにかけて見覚えのあった建物は更地となり、さらに老舗デパートが閉店されネオンの消えてしまった建物が、街全体に一抹のもの悲しさを漂わせている。この帯広と札幌の駅前通りを比べた時、地方と中央の格差を目の当たりにした。
 それでも火灯し頃の繁華街は賑いを醸し出し、友人との語らいは尽きず、もう一軒へと足を運んだ。その店には同世代とおぼしき人たちがカウンターを占領していたことからボックス席に腰を落ち着ける。
 ここでテーブルに出されたつまみが柿の種であった。すでに〝お腹はくちく〟なっている筈だが自然と手が伸びてしまう。いまこの柿の種には、「わさび」や「梅しそ」味などの定番に加え、北海道限定の「スープカレー」や「北海道チーズ」味を始め、「ひつまぶし」や「明太子」などの全国的なご当地グルメとコラボした味も発売されているので、何れ試してみたいものだ。
 久々に時が過ぎるのも忘れて語らい再会を約束して店を後にすると、コンビニの前には若い人たちがたむろしている。そんな光景を見ると自分が浦島太郎のような気持ちになってくるのだった。
 翌日、帰宅するとその晩からまた家呑みになり、ビールのつまみに柿の種の袋を破いていた。それを見た家人から「ご飯食べたばかりなのに...」とひと言、飛んできた。

◎プロフィール

〈このごろ〉ラジオの構成資料として、映画のパンフレットを出して来た。何十年も眠ったままだったのが、いま広げても見ても色褪せていない。

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