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エッセイSP(スペシャル)

買い置き・・

たかやまじゅん

2025年2月24日

 いつも家人がスーパーに行く前になると、米やティシュペーパーなどの残数をチェックしている。それは常に日用品の買い置きをしているからだ。
 週一回の買い出しは、車の免許証を返上したことで店の配送システムを利用し、家に戻る頃にはオリコン函が届く。缶ビールやカップめんは、ネット販売でのカートンを注文する。そして冬期間は、毎日の湯沸かしだけでなく玄関前のロードヒーティングを使うことから、室外に設置してある灯油タンクの備蓄も欠かせない。このように買い置きすることで安心した生活が過ごせる。
 ところで私にとって、日頃不安を覚えるのは読む本のストックだった。小さい頃から本好きで、小学校では図書室に通い子供向けに書かれた歴史物語を読み漁っていた。『平家物語』を読んでワクワクし『源氏物語』を借りたのだが、平清盛や源義経が出て来ず困惑したのは忘れ難い思い出の一つだ。高校生になり書店でアルバイトをしたことで本への愛着がますます深まり、これ以降何十年経っても変わらない〝本の虫〟となった。
 本は書籍や書物とも呼ばれ、木の皮にしるしを刻んだことに始まって、古代文明での粘土板やペーパーの語源でもあるパピルスなど世界各地にその発祥があり、日本では7世紀始めに聖徳太子の自筆が遺されている。本と言う字の由来は、木という字の中心部から下よりに短い線を付け、これは樹脂の根を指し「ものごとのおおもと」を意味するそうな。
 これまで数多の本に接し、勤めていた頃はビジネス書を読み漁り、今は戦国時代の小説に目がなく、様々な知識を得る大きな糧となっている。ところが近年の新刊本は絶版になるのが早く、発売された時に買って置かないと後からでは手に入り難いので、つい買ってしまう。たいがい時間があると書店の棚を覗いては買い置きをし、手元にあることで安心感が生まれて来るのだ。
 こうして外出する時も本が手放せず、今は電子書籍になるのだろうが、私は本その物を手にすることに醍醐味を感じていた。最近の乗り物の車内は、スマホを覗いているのが大半だが、本を読んでいる人を見掛けると「きっと、本が好きなんだろう・・」と胸中嬉しくなってくる。
 そして読み終わった本が溜まると古書店に引き取って貰う。もしこれまで読んだものを遺してあったら、きっと小さな図書館が出来ていたかも知れない。

◎プロフィール

賀状仕舞いが増えたことで、例年に比べて枚数は従来の半分以下になる。それ故か今年の当選は、切手シートが1枚だった。

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