44年ぶりの再会
2019年5月13日
今年は全国的に寒い春で、4月なのに東京も肌寒かった。その日、かつて東京時代の会社仲間であるマツザワ君と共に北千住駅に着いた。待ち合わせの44年ぶりに会う彼はどこにいるのかと探し回る。マツザワが右往左往しつつ彼と携帯で話しながら一緒にあ
令和が花開く
2019年5月 6日
「初春の令月にして、気淑く風和らぎ、梅は鏡前の粉をひらき、蘭は珮後の香を薫らす」 新元号で一躍世に知れた万葉集の梅花の歌。令和は六四五年の大化から数えて二四八番目の元号であるという。中国がへそを曲げようが、国書から典拠されたことで
パン屋にて
2019年4月22日
時々帯広へ出る用事がある。 時間に余裕ができ、少し小腹が空いた時などは「有名な某パン店」に寄ることがある。3個ほど買うが、時には訪問先への手みやげにもする。 いつも店内が混んでいる。トレイにパンを乗せレジで会計を済ませると、窓
愛でる・・
2019年4月15日
春になると思い出すのは、小学校の教科書に載った〝さいた さいた さくらが さいた〟である。校舎が小田原城二の丸跡に建ち、入学式でお堀に映える石垣の桜を眺めた日は、半世紀以上も前のことだ。 社会人として最初の勤務地は東京になった。4
懐かしい友人に会う
2019年4月 8日
東京には若かりし頃に短かったが住んでいたことがあり、今でも年に1、2回は上京している。ある日、ふとしたことで東京時代に働いていた紳士服製造会社の同僚の一人であるナイトウ氏と連絡が通じて懐かしさが込み上げ、会うことになった。彼は携帯で、
春の面接
2019年4月 1日
世の中人手不足が深刻な問題となっている。 私の勤める福祉事業所でも年明け早々職員を募集していたが、全く動きが無かった。特に調理員のパートの求人。週2~3日、一日4時間程度。調理資格のない普通の主婦で結構。昼過ぎまでの時間をちょっと
時代おくれ
2019年3月25日
この1年ほど、わが郷土の開拓先駆者、鈴木銃太郎について書いていた。小説というよりノンフィクションに近いかもしれない。 原稿用紙換算で370枚に達していた。史料を読み込んで、文章を練って、削って加えた。完成も近いはずとゴールを意識す
A型・・
2019年3月18日
今でこそ大柄な私だが、生まれた時は標準より小さくいわゆる未熟児だったようだ。まだ保育器は普及されておらず、「A型の血液を探した」と二親から聞いている。母方の祖母は「孫の中で、お前にワタシの血が一番濃く流れているんだよ」と輸血したことが
「お福」で蕎麦をいただく
2019年3月11日
厳しい冬が終わって気持ちに少し温みが出てきている。春とはいえ、十勝はまだ肌寒い日々がつづいてはいるけれど、冷涼の大空の下では徐々に本来の春へと向かっているのだ。極寒の日々から解き離れた分、静かな温かさが見えている。 蕎麦を食べに行
一度失った信用は
2019年3月 4日
瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず。 瓜の畑の中で靴を履きなおすと瓜を盗んでいるのでは?李(すもも)の木の下で冠を被り直せば、李を盗んでいるのではないか?と、疑わしい行為はするものではないということわざだ。初めて母に教えてもらったこ