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五人に一人

2024年2月 5日

 私の勤める福祉事業所は、一般企業での雇用が難しい障害者に働く場を提供している。地域の企業からの依頼で、軽作業も時々入るが、主な仕事は縫製だ。 昨年十二月、七十を過ぎたA子さんが入ってきた。聴覚障害者で、発音は僅かに理解できる。 事業所に見

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新年の記

2024年1月15日

 元日から大きな震災や事故が相次ぎ、心の休まらない年明けでした。遭遇された方々、ご家族ご友人、関係者の方々には心からお見舞い申し上げます。 新年早々、仕事始めの4日に常連客が商品制作の依頼にやってきた。近所に住む女性で、いつも愛犬のトイプー

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逝く人

2023年12月 4日

 その人はひまわりに例えられた。俳優夏目雅子。自宅の庭の青々とした芝生の上に座る彼女の笑顔は、しかし、ひまわりよりも輝いてそこに咲いていた。「私からプロポーズしたんです」 取材陣に向かって確かそう話していた。幸運な相手男性は、伊集院静である

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元気の秘訣

2023年11月 6日

 錦秋の某日、私の勤める福祉事業所の職員と利用者一同で、日帰りのバス旅行に出かけた。福祉バスというのがあり、福祉該当者は無料で利用できる。移動範囲と時間は制限されているので、候補地の希望を取りまとめるのには一苦労だ。谷田製菓から始まり、締め

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心をキャッチ

2023年10月 2日

 札幌の街は老朽化したビルの建て替え工事で、いつの間にかビルが無くなったり、新しいビルがそびえていたりと目まぐるしい。そんな中、7月の開館前から市民の注目と期待を集めた場所がある。街のど真ん中に建つ複合施設の中の水族館aoao sappor

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働き手はどこに?

2023年9月 4日

 長距離の都市間バスは、列車移動とはまた違った快適さがある。体にフィットする座席に体をうずめて、ぼんやりと車窓の景色を眺めていると時間を忘れる。 便利で快適な高速バスだが札幌―函館間を走る〝高速はこだて号〟が、この十月から運転手の確保ができ

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道案内

2023年8月 7日

 ある日の仕事帰り。その日も気温が三十度を超え、西日が肌を刺すように痛かった。ありがたいことに札幌には地下街があって、雨の日も、吹雪の日も、そしてこんな猛暑からも市民を守ってくれる。 急いで地下に潜り、アクセサリー店などを眺めながら涼をとっ

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眠りの一歩前

2023年7月 3日

 だいぶ昔の漫才のネタで、地下鉄の車両をどうやって地下に入れるのかを考えると夜眠れなくなるというのがあり、大いに笑いをとった。「地上に通じる線路があって、そこから出し入れするに決まってるじゃん」 十人いたら一人くらい真顔でそう答える人がいそ

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さようなら不発の五月

2023年6月 5日

 五月からマスクの着用が個人の判断によるものとなった。それに小躍りして、一気にタガが外れたわけではないが、無意識に気が緩んだのだろう。連休明けから突然体調を崩し、胃痛、風邪、腰痛、膀胱炎と、芋づる式にあらゆるものに負け続けた。 中でも膀胱炎

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今を生きること

2023年5月 8日

 生老病死。生きること、老いること、病になること、死ぬこと。この四つは人間がこの世で生きている限り、自分の思うようにならない苦悩だという仏教用語だ。日々の生活が万事うまくいっている時には決して思い浮かばない言葉であろう。 知人の夫が現在病に

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