
流れる・・
2016年10月17日
京都府南部と八幡市を挟む木津川に掛けられた上津屋(こうづや)橋は幅3メートル、長さ356余メートルに及ぶ日本最長の木橋であり、昭和28年に完成してから今日まで台風など増水の度に流されること20回を超え、別名を「木津の流れ橋」と呼ばれて

心意気・・
2016年9月19日
この夏、1960年代のポピュラー音楽から文化を紹介する企画展に携わる。かつてレコードがひとつの時代を築いてきて、今も押入れや棚の奥に仕舞われていることも少なくない。私が持っているのは映画音楽ばかりで、ポップス系は数枚であった。 先

ニッコリ・・
2016年8月22日
ここに住んだのは、10年前になる。そのころ、昼時になると側の空き地に軽のワゴン車が来て、弁当を並べていた。すると何台か車が集まり、女性たちが弁当を積んで出掛けて行く。彼女たちは、道ですれ違うと笑顔で会釈をしてくれた。やがて、そこの弁当

極め・・
2016年7月18日
大道芸人が、カナダで始めたと言う「シルク・ドゥ・ソレイユ」は、サーカスと軽業に新体操やオペラ、そして斬新な可動装置とプロジェクション映像、さらにライブ演奏にカラフルな衣装の多国籍キャストによる総合芸術だ。肉体の動きの限界に挑んだショー

JAKUCHU・・
2016年6月20日
京の台所と呼ばれる錦市場は、いまも店が軒を連ねる。今春、四条通りから大丸京都店を抜けアーケード街を目指すと、〝若冲生誕300年〟のタペストリーが旗めいていた。 江戸時代中期、ここの一角にあった老舗の青物問屋を、23歳で継いだ四代目

パワフル・・
2016年5月23日
スーパー歌舞伎を観たのは15年前の夏、名古屋中日劇場になる。そしてこの春、大阪松竹座で公演のスーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)「ワンピース」を観劇した。 原作が、いま人気のコミックであり、普段の歌舞伎層と違って会場には、若い人が目立った

今も・・
2016年4月18日
四十年振りに京都嵐電の太秦(うずまさ)広隆寺駅で降り、「東映城」を目指す。東映城とは、二条城の大手門を模した映画村のシンボルとなっていた。 テレビで放送される時代劇の大半が、ここ東映太秦映画村で撮影され、時代劇ファンには垂涎(すい

温か・・
2016年3月21日
冬は人の背丈ほどに積まれた雪が辺りを暗くし、すり鉢型のような道になる。道幅は狭まり、さながら〝桶狭間の戦い〟ならぬ雪狭間の戦い!?を人と車が呈していた。だが、温かい日が続き雪も少なく、今年は家の周りが明るい。 側に小学校の通学路が

梅は・・
2016年2月15日
瓶の中には赤紫色の実がぎっしり詰まっていた。シソの葉で漬かった大きな梅は、これこそ私の好きな梅干しと言える。ふと、小さいころのおやつで、竹の皮に梅干しを包んでしゃぶった記憶が甦った。周りに訊いてみたが「知らない」と言う。本州の同世代に

迷う・・
2016年1月25日
大掃除をしていると数十年前のノートが出てきた。丁寧に書かれた文字に一瞬、誰が書いたもの!?と首を傾げた。しかし紛れもない自分の持ち物だった。 子どもの頃から脇に国語辞典や漢和辞典を置き、書いては消し、消してはまた書くことを繰り返し