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仰ぐ・・

2013年4月15日

 桜前線が春の訪れを告げた。「花は桜木、人は武士」と一休禅師の言葉にあるように桜は侍の潔さに喩えられ、山河に彩りを添える。ふるさとの小田原城も桜の真っ盛りだろうと想いを馳せながら富士山を眼下に西を目指す。  福岡空港に降り立ち、九州を

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粋な・・

2013年3月18日

 花弁雪に芝居の殿堂が佇む。さっぽろ雪まつりの大雪像で登場した五代目の歌舞伎座。視覚効果は充分なのに聴覚に響くものがない。観光客らしき女性たちの「長唄が流れていたら粋なのにね」との会話に頷いてしまった。  歌舞伎は京都で出雲の阿国が踊

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輝き・・

2013年2月18日

 三度目の転勤で帯広を離れるとき、ひとり一人と別れを告げるには時間が足りないことから友人が音頭を取り、送別の宴を張ってくれた。それは仕事以外で知り合った人たちが一堂に会すると言う思い出深いものとなった。  歳月は流れても年賀状での交流

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磨く・・

2013年1月21日

 パソコンを使ったメールが多くなった。文字の小さい携帯より打ち易いからでハンドルネームには、かつて呼ばれていた愛称を用いている。その名は「平次親分」・・謂れはカラオケにある。  名古屋に赴任していたころ十八番はテレビ時代劇の主題歌であ

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はーとふる・・

2012年12月17日

 毎日、放課後ともなると教室からコーラスが流れて来た。土曜日曜は朝から聞こえその爽やかな歌声に癒され、直に聴ければとの想いで校舎を見上げていた。  たまたま学校の前を通り掛かった時、校門にいた学校の人に「いつも頑張ってますね」と思わず

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うず・・

2012年11月19日

 押入れから『うず』と題された小学校の卒業文集が出てきた。「うずとは何事も巻き込んで力強く前進する」と校長先生の言葉が記されていた。担任の先生や同級生の顔が瞬時に甦る。それは十二歳のまま止まっていた。  さっそくパソコンで学校名、同級

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文庫の中に・・

2012年10月15日

 書店の棚に文庫オリジナルの捕り物・推理が並んでいる。剣に鋭く頭脳が冴える同心、将軍の落し種や大名の遺児が活躍する「若さま」もの、家来の「龍さん、虎さん」を従えた水戸黄門の曾孫、遠山の金さんが異母弟銀四郎と「金さん銀さん」としてコンビを

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つながる・・

2012年9月17日

 ホテルで荷物預けもそこそこに山の手の異人館から街並みを俯瞰し、明治の香り漂う坂道を下り港へ向かう。平清盛が拓いた神戸港は今も貿易の要である。公園の一角に大震災の傷跡が遺されていた。その夜は南京町で一献傾ける。  源平のおさらいは須磨

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かけ橋・・

2012年8月27日

 乗船待ちをしていると係員に「雨でも船は大丈夫ですよ。出航まで間があるからそこの足湯に浸かってみたら・・」と奨められ、篠突く雨の中で気持ちを和ませる。そこは淡路島南端の福良港。  岸壁を離れた観潮船から「音に聞こえた~鳴門の潮で~♪」

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記と紀・・

2012年7月17日

 日本最古の歴史書「古事記」が編纂され1300年になる。語り部の稗田阿礼が暗唱するのを太安萬侶が編纂した。  この壮大な物語の舞台を訪ねたいと国生み神話の島へ渡った。高速バスは神戸三宮ターミナルを後に舞子から明石海峡大橋を跨ぎ九十分で

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