見える・・
2018年4月16日
新聞の文字が見え難くなり、目の前に霞みも・・。車を運転することから眼科で精密検査を受け「老人性白内障と違い、もともと水晶体が光りに弱い」と診断された。 小学生の頃、日向に出ると目が痒くなった。目医者に「瞳が茶色なので黒メガネを掛け
同期の・・
2018年3月19日
修学旅行や宴会で歌うのは歌謡曲や民謡が主で、軍歌になることも少なくなかった。締め括りは決まって同級生や同僚たちと肩を組み「同期の桜」で、アカペラに手拍子が加わると一つになって連帯感が芽生えた。 故郷で寿司屋を営むYとは小中高を通じ
たどる・・
2018年2月19日
上司だった方の家族から喪中はがきが届くようになってきた。先輩の賀状に「本年で年頭の挨拶を納める」と書かれているのも少なくない。その一枚一枚に勤めていた若い頃の自分が重なって見えた。 入社して最初の勤務地は、まだ都電が走っていた靖国
トラウマ・・
2018年1月29日
3年前、外出先でステップを踏み外し転けてしまった。骨折はしなかったものの脱臼した指のマッサージで、1年近く整形外科に通う。階段を下り始めるとその光景が甦り、以後はエスカレーターやエレベーターを利用する頻度が多くなっていた。 昨年、
プライド・・
2017年12月18日
京阪電車の出町柳駅から鴨川の風に吹かれて橋を渡り、樹々が秋の彩りを始めた京都御苑に着くと、公家の邸宅が立ち並んでいたと伝わる一角に、平成17年に建てられた京都迎賓館がある。 地下の駐車場で空港同様のセキュリティ検査を受け、ガイドに
玉屋・・
2017年11月20日
味の記憶にはオフクロの味、家庭の味と二つ上げられる。私にはもうひとつ玉屋の味があった。12年ほど前まで、名古屋に単身赴任をしていた。寄り道をしない限り夕食は住まいの近くで済ませるのが常となった。 名古屋駅から地下鉄で15分、「栄~
ギョっ・・
2017年10月23日
江戸時代、滝沢馬琴が「南総里見八犬伝」を48歳で書き始め、完結を迎えたのは28年後の75歳であり、98巻106冊に及ぶ大長編となっていた。明治以後、出版された古典全集やダイジェスト版、現代語訳と子供向けやコミック版などは枚挙に暇がない
ドキっ・・
2017年9月18日
誕生月に併せ総合病院の検査センターで半日ドックを受けている。この時期は事業所の集団検診が目立ち、早く済ませようと一番乗りして挑んだ。色分けされたバインダーを持った検査着の人たちに「次は〇番の前でお待ち下さい」と係員の誘導が始まった。ま
かつて・・
2017年8月28日
朝刊で先ず開くのは、スポーツ面でも番組表でもなく株式欄である。東証一部の化学部門に属する会社の△▼に「フムフム~」「アリャリャ・・」と一喜一憂するのだが、トレーダーのようにすぐ売り買いをするわけではない。かつて日本の企業が元気だったこ
遠方から・・
2017年7月17日
駅から歩くこと10分、木々の緑が深い青空の下に大伽藍が見えた。ここはテレビ時代劇「鬼平犯科帳」のエンディングで、紅葉に染まる通天橋が写る東福寺である。駐車場には、タクシーが数台止まっていた。その運転手が修学旅行の中学生たちに、解説して