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エッセイSP(スペシャル)

ひびく・・

たかやまじゅん

2015年3月16日

 今年も写真に添え「家族が増えた」「大きくなった」と書かれた賀状が少なくない。「正月はどうでした」と訊くと「孫の相手だった」とか、「この秋生まれる5人目の孫が愉しみ」のメールを開き苦笑する。
 家の近くが通学路で、朝から子供たちの声が響いてくる。3学期が始まる頃、路肩の片側は除雪車による雪山で歩道も埋まり、登下校時ここに上がっているのを見掛けて注意していた。
 2月になると堆雪の内側が緩んで危険をはらみ数年前には、町内の人が嵌った子を引っ張り出したそうな。子どもにすれば格好の遊び場かも知れず、近所と連携し学校に相談するのが年明けの慣わしとなった。登るのはたいがい低学年・・孫のようなものだ。
 かつてスイミングスクールに勤めていた時、生徒に子供も多く保護者への対応や所轄や行政との調整など業務全般に及んだ。冬期間は送迎バスの運行が乱れ、大雪で走行不能に陥り、コースや乗り降りの場所を見直したこともあり、通学するのを見るにつけ危惧を抱いていた。
 学校に赴き、教頭先生に経緯を説明する。昨年、転任して来たとのことから「まず現場に行きましょう」と通学路に連れ立つと、1年生の下校時と重なり「担任を通じて徹底します」と告げるのも束の間に「だめだよ~こっち側を歩きなさい!」と声が飛んだ。
 翌日の学校帰り、保護者に手を引かれた子供たちが多く、その夜は通学路を中心に排雪作業が施された。翌日には、通学パトロールの腕章を付けた人が見守るなどの素早い対応に驚く。
 数日後の朝、顔を合わせた教頭先生から「安全指導を繰り返します」と生徒への熱い思いと迅速な対応策が伝えられ「見掛けたら遠慮なく注意してやって下さい」と生徒が集中する方向へ走って行かれる。
 私に孫はいないが、子どもたちの安全を願うのは、誰しも同じではなかろうか。しかし、町内のオジさん!?より、先生のひと声が響いたようで、一週間もすると通学に変化が現れ始めた。
 こうして通学路の安全を元から正せたことは、学校と地域がひとつにならなければ出来なかったであろう。登校する子供たちから春の気配を感じてきた。

◎プロフィール

〈このごろ〉お城好きの三津五郎さん・・役者としてもこれからの筈だった。かつて、名古屋の御園座で観た襲名の舞台が忘れ難い。

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