その時に・・
2015年4月20日
よく目にするのが「捨てる」とか「思い切る」の文字と「断捨離」という言葉。これを自分に当てはめたなら、ストレスを起こしそうだ。
街に出かけると先ずは書店を覗き、音楽ショップで試聴。パソコンから古書店目録やオークションを漁る。こうして手に入れた瞬間の満足感も束の間、また次を探す。これがコレクターの性なのだろう。
春になって家の周りから雪山が消え、道幅が広がり明るさが戻ったが、部屋の窓際に置いたCDの山は高くなっていた。床の上に積んだ本と並べた数々の資料、やがて布団を敷くだけのスペースになる日も近い。
友人曰く、揺れが来たら真っ先に扉に行かないと棚から崩れたもので開かなくなるそうな。我が家では「いつか床が抜けるのでは・・」と案じている。
物を書くことや構成を作る時、本や資料、そして楽曲が手元に在るかどうかが第一で、処分したばかりの本にある数行の記述やアルバムの中で1曲が必要となって探し回り、挙句の果てに古書店から買い戻したと言う笑い話にもならないこともしていた。
このところ仕舞った筈の場所からものが探せず、発掘調査のようなことになってしまう。歳のせいではなかろうが、それならとパソコンに向かい収納先リストをつくり始める。だが、暫くすると手に痛みがあった。治りかけた指でマウスを動かしたためか・・おまけに肩や腰も凝ってきた。
同好の士は、音源のリストを作るのに3年掛かったと苦笑。溜まった本やレコードを売りに行った筈が探していたのを見つけて買ってしまったとか、中古本店に持って行ったがまとめてもン千円、それならと自分でネットオークションを開いたなどと言った話も少なくない。
かつて、釣りを趣味とした家人の父が逝った後、整理が大変な作業であった。近ごろは遺品整理業者もあるようだが、その時は義父の釣り仲間が大半を持って行ってくれた。相当な名竿もあったようで、このことを思い出すに付け、あとに残された者には負の遺産でしかなく「さぞかし費用もいることだろう」と心配な面もある。
その時に、断捨離保険とか!?ってないものだろうか。あれば、安心して蒐めることを続けられるのだけれど・・。
◎プロフィール
〈このごろ〉満開の桜に黒が映える松本城・・これで国宝の四天守に登閣する。折好く、長谷川宏和さんのFM番組への中継となった。