ベルギービール
2016年7月 4日
職場が札幌大通り公園に近いこともあって、天気のいい日はなるべく公園を通って帰宅するようにしている。日中事業所内で過ごしていると、緑の芝生、花、噴水の水しぶきは解放感に包まれて疲れも癒され何かいいことがありそうな気さえしてくる。特に日没の遅い今頃は、遠く手稲山に沈んでゆくオレンジ色の太陽に向かって歩くのが気持ちいい。青々とした芝生の上では学生らしきグループが楽しそうに戯れ、写真を撮る人、ベンチに腰掛ける高齢者、笑顔の旅行者達を見ながら歩くのも楽しい。
札幌市民の憩いの場である大通り公園では様々なイベントが目白押しだ。少し前は仕事帰りに八丁目まで足を延ばして「ベルギービールウィークエンド」を訪れた。肌寒い夕暮れだったが、多くの人が集いリズミカルな生演奏を聞きながらグラスを傾けていた。ベルギーと言えばワッフルとビール、高級チョコレートしか浮かばない情報の少ない国だが、日本とベルギーの友好関係は今年で百五十周年を迎えるとか。「へえ~」とガイドブックの解説に感嘆するも、それ以上に「へえ~!」と感嘆符付きで声を発したのはベルギービールのその種類の多さだった。ピルスナー、ゴールデン・エール、レッド・ビール、トラスト・ビールなど十一タイプ百五十種類のビールが取り揃えられているとのこと。ビールのアルコール度は五%ぐらいとの認識があるが、ベルギービールは六%以上のものが多く、ワイン並みの十二%というのもある。なので「いつもの調子でぐいっとやらないように」とのアドバイスを知人から受ける。暑い日じゃなくてよかった。
写真付きで丁寧に特徴が説明された解説書をめくってみても、この数の中から選ぶのは容易ではない。私たち女性3人グループはあてずっぽうにいくつかをピックアップ。外せないのはフルーツ・ビールだ。周りを見渡すと鮮やかな赤いビールを飲んでいる女性が何人もいた。フルーツタイプはアルコール度数も低く、カクテルのような甘さの中にビールらしい爽やかなキレがある。グラスを口に近づけるとベリーの香りがしっかりと漂う。
「美味しいけれど、やっぱりビールはビールらしい澄み切ったビールが一番ビールの中のビールなのだ。」
グラス2杯目フィニッシュ時点でこういう具合だから、なるほど確かにアルコールは強いらしい。それぞれ違った種類を3人で回し飲みするので誰がどの位飲んだかも解らない。とにかく外で飲むビールは何でもおいしい。飲めない人から共感を得られないのが残念なことだけど。
◎プロフィール
さえき あさみ
本文のとおり、大通り公園を楽しむ日々。スイーツ、花フェスタ、シティジャズ…これが結構忙しい。