明るさ・・
2017年4月17日
人と接する業種のシステム化とマニュアル化が著しい。飲食店や食堂での券売機、シネコンは自動発券機も増えていた。病院は自動受付機でカードを差し込めば済む。CDやDVDのレンタルショップで、店員の説明が縦板に水を流したような喋りで付いて行けず、思わず「ちょっと待って・・」と言ってしまう。
各種お客様サービスがフリーダイヤルとなり、繋がったとたん「自動音声でお応えします」と流れてくることも少なくない。ボタン操作を便利と思えばそれまでだが、何か物足りない。まれに「オペレーターに繋げます」のガイダンスを聞きホッとするのは、私だけだろうか・・。
定期的に行く病院の壁には「担当の医師をお知らせ下さい」と貼ってある。受診カードを提示すると「○○先生ですね」と受付の女性が笑顔で告げた。彼女は名前から主治医が誰かを掌握しているようで、この一言が嬉しくなる。
本州への贈り物や手土産は、札幌駅のデパートで道内の名菓を選ぶ。何にするかを迷っていると、帯広が発祥の菓子メーカーであるRの店員が、こちらを見て微笑んでいた。引き寄せられるようにカウンターに近づくと「いらっしゃいませ○○さん!」と名前を呼ばれる。以前ここから発送した時の担当のSさんであった。
それ以来、お茶菓子を買うのにも自然と足が向く。なぜなら、彼女は遠くからでも頭を下げるからだ。それは私に対してだけでなく、お客さま全体に行き届いている。ましてこの店は、デパートのポイントに加えて、独自のスタンプも併用して付いた。
週に一度、道民活動センターかでる2・7に行く。一階の受付は若い女性が3人で担当しており、最初は頭を下げる程度だった。出入口の側なので、冬は冷たい風にさらされている。冬のある日、自動ドアを潜ると「寒いですね」、帰り際に雪が舞っていると「足元気を付けて下さい」と語り掛けてくれたことから、二言三言交わすようになった。
どんなに機械化が進もうと人とひとの接する力には大きなものがあり、それぞれの場で出会った応対の明るさは、気持ちを晴れやかにしてくれる。
◎プロフィール
〈このごろ〉長谷川宏和さんのラジオ番組に旅先からの中継が続いていたが、久々にスタジオへ行く。準レギュラーとしてもう9年目に入った。