No.1,284
2017年6月26日
どの業界も飛び抜けたスター選手がひとたび出現すれば、時代に左右されること無くスポットライトを浴び。
そう、将棋の連勝記録驀進中の藤井聡太四段(14歳)が正に時代を作り始めている最中。羽生善治九段(46歳)が現れた当時の世間のざわつきを思い起こしますが、あれから三十年を経て世の中における将棋のポジションも変わっているも、何のそのと。
相撲界でも稀勢の里関が久しぶりの日本人横綱に上り、相撲ブームが再燃している昨今でありますが、そう考えるとスポーツに限らずに何処の職種にもチャンスの道はいつ何時も開かれているのでしょうね、多分。
私なんぞも「時代に乗り遅れ先見の明が無かった」、と泣き言発しIT業界の猛威に為す術あらずと、ほっかむりを決め込む人生後半な気もしていましたが、実は「脈」は密かに側で打ち続けているのかもしれない、運命の人と一瞬の違いですれ違い続けているように。人生において大切な事柄は大半、気づかないでやり過ごしてしまうのだろう、幾ら目を見開き、耳をそばだてても、それを認識するにはもっと違った受信機が必要なのだろうか。
同じような日常の繰り返しの生活をしている人々の内にも、事故に会う人も病気になる人も無病息災な人もいる。それを、ついているとかいないとか言っている内に人の一生は暮れていくのだろうが。
そんな中も稀に神がかった各分野天才たちが、忘れかけた頃にポツリポツリと「ふいに」出現するのを見、私たちは同じ時代を生きる偶然に幸運を感じ拍手喝采をおくる。長嶋茂雄、アントニオ猪木、美空ひばり、からイチローらを経て今やスポーツに限らず将棋の様に知的分野も軽々と泳ぐ十代、を傍観しつつ。
そして昨日、加藤一二三九段(77歳)が規定試合に負け棋士生活引退となりましたが、藤井聡太連勝記録のスタート相手とならなければ世間の人は加藤氏の存在そのものも知らず、だったのでしょう。
我々も皆、同じ時代の船に乗り今を生きる、限られた搭乗者たちなのですね。