No.1,317
2018年3月 5日
存分に楽しませて頂きましたピョンチャン五輪、四年に一度冬の大運動会も無事後ろ髪引かれつつ「閉会」。
重ねて幼き頃、じいちゃんに手を引かれ、国鉄に揺られ冬季札幌オリンピックを見物に行った事、とても懐かしく思い出す。あの時は時代背景からして日本列島大熱狂。笠谷幸生、金野昭次、青地清二「日の丸飛行隊」ジャンプ競技を手の届く距離で観戦し、今も手元に残る白黒の写真と共に頭の奥底鮮明に住み着いており。
行き帰り汽車の中、泊まった旅館、現地移動でのタクシー乗車中には前を走るトラックが跳ねた小石によりフロントガラス全面割れ、幸い事故は免れしも、前見えず走行不能で何とか近くの商店まで辿り着き、次のタクシー呼び乗り換える過程のドラマ、あれやこれや一本のロードムービーさながら。ちょうど富良野発のドラマ「北の国から」での、純くんからの視点に近い感覚、数十年も経った今は手を伸ばしても消えた時間、記憶の世界。
よってこの年齢になって、あの頃の季節、あの時の道筋を同じ三泊四日で一度辿って歩きたい、とシミジミ思い起こされし今般のオリンピックでしたが、当然当時出会った多くの方々も既に鬼籍に入り、「時間と記憶」は誠に悲喜こもごも人を人にたらしめる。
そして二年後は又、2020夏の東京オリンピック開催。こうしてピョンチャンでの様々な選手たちの奮闘努力の数々場面も過去の一片としての蓄積へと居場所は変わる。
さて、総括的に結果を見渡してみますと、今大会に対しての各競技の上層による「強化策」たる、徹底した組織のバックアップ体制戦略が功を奏したよう。昔はアマチュアの大会であり、個々人一部の企業に所属しつつでしたが、現在は大がかりかつ国がかり。無論、競技種目にもよりますが、徹底した科学的管理で結果へと導き、そこを超えた処のドラマにも触れ、むせび泣き。
一方、ひととは、同じ時間に爆撃命令を下し、人々を容赦なく傷つける動物でもあり。「シリア」には無かったオリンピック。