夢の実現
2019年1月14日
大阪で国際博覧会(万博)が開催される。二○二五年の話だ。六年先というと、私は年金受給資格を得られる年だ。年を取るのは嫌だけど、万博よりも楽しみにしている。カモン!二○二五!
伊丹空港からシャトルバスで西に移動する際、太陽の塔が変な格好で立ちすくんでいる。一度見たら脳にインプットされる異様な形は、好きじゃないけど今は嫌いじゃない。芸術に造詣のない私は長きを経てやっと、岡本太郎は凄い芸術家だったのだと感心している。二○二五に向けて新たな芸術作品が登場するのかどうかが楽しみだ。
『命輝く未来社会のデザイン』
これは、大阪万博のスローガン。
フィクションだったAIが、庶民の生活に普及し始めた。医療現場での開発は特に期待する。但し、延命に特化した技術開発に大金をつぎ込むのはもう止めてほしい。百年生きなくてもいい。苦しまずに逝ける確約さえあれば、死は決して怖いものではないはずだ。『ピンピンころり』で命も輝く。未来の医療の方向性を、どうか間違えませんように。
大阪に先立ち二○二○年の万博に向けて、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイは急ピッチで未来世界を建設しているとか。
『心を繋いで未来を創る』をテーマに、中東初の博覧会に世界中からのビジターで賑わうだろう。ドバイと言えば、砂漠の中にニョキッと突き出た超高層ビル『ブルジュ・ハリファ』は石油の力の象徴といえる。地上八二八メートル、二○六階建て。想像するだけでも目眩がする。バベルの塔で痛い目に遭ったはずなのに、懲りない人間に再び災いが起こらなければいいが。
最先端技術ばかりに目が行くが、改めて思う事は、人類は最も優劣の差が大きい生き物だということだ。AIを開発する人がいる一方、暖かい自分のベッドで安心して休むことすらできない人の方が多い。未だに槍を持ち原始的な生活を送っている部族さえいる。この落差。未来社会に希望を寄せるのは、たった一握りの幸運な者ばかりというのが現実だ。
あらゆる憂いを手で追い払い、夢を語らせてもらうなら、私にも心待ちにしているものがある。安眠クリーニングカプセルベッド(仮称)の登場だ。疲れて1センチも動きたくない夜、自動シャワーでもないものかといつも思う。カプセルに入って、目覚めたら体も髪も清潔に仕上がっていて、オプションで楽しい夢も見られ、疲労も消え爽やかな目覚めがあるならば言うことなし。大阪万博には間に合わないだろうが、タイムカプセルよりは実現の可能性は高いと思いますが、是非、どなたか…。
◎プロフィール
●作者近況
さえき あさみ
今年五十代最後の誕生日を迎える。還暦カラーへの衝撃対策に少しずつファッションにも赤を取り入れている。