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エッセイSP(スペシャル)

猿の惑星へと?

冴木 あさみ

2019年2月 4日

 朝の出勤前、目に入ったテレビ番組の情報。子供を叱れない親が増えているという特集だった。ある飲食店が小学生未満の子供の入店お断りに踏み切った。食事中の子供のマナーが悪く、しかも注意をしない親にほとほと嫌気がさしたらしい。提供した料理に「これまずい!」と叫ぶ子。店内を歩き回り「これ食べたい」と他の客の皿に指を近付ける子。親は注意しないどころか、迷惑をかけた客や店への謝罪もなかったとのこと。
 公共の場で我が子を叱れない親は半世紀前にも確かにいた。靴のまま電車やバスの座席に上る子を放っとく親への非難はよく聞いた。
 以前耳にした忘れられないエピソードがある。バスの中で騒ぐ子に「運転手さんに怒られるから静かにしなさい」と叱った母親に対して、運転手が「私は怒ったりしませんよ」と言い放った。運転手に叱られるから騒いではいけないのではない。公共の場でのマナーでしょとの気持ちから出た言葉。この母親の注意の仕方では「運転手に叱られなかったら騒いでも構わない」という論理の展開が可能だ。人が見ていなければ悪事も許されるというへ理屈が大手を振って世に蔓延することになりかねない。
 テレビでは親側の言い分も紹介されていた。
「周囲に虐待と勘違いされるのが怖いし…」
よくも平気でそんなセリフを。亜麻色の髪のおしゃれなお母さん。見ていて情けなくなりましたよ!
 虐待としつけの違いが判らないのか。だからしつけと称して子供を殺してしまうのか。だからしつけができずに行儀が悪く大人を見下す子供が増えるのか。進化の一途をたどっていると思いきや、人類はここへきてまさかの退化、類人猿へとUターン。

 そうか、納得した。明らかに教育力のない親が悪い!そういう親にしてしまったそのまた親の責任もある。でも他者への責任転嫁も言語道断。保育園・幼稚園を経て九年間もの義務教育、その後の高等教育の中で、いい友に巡り合えなかったのか?青春を語らう中で、道徳や他人を思いやる気持ち、社会の中で生きていく能力を磨く時間はなかったのか?人のふり見てわが身を正す機会はなかったのか。アルバイトも社会の中で労働をし、賃金を得る立派な仕事だ。学校で学びきれない大人の世界の常識・非常識が渦巻く中で何を思い考え、どういう大人になるべきか、考えられなかったのは自己責任でしかない。
 朝のテレビでは、さらにとどめの一発とも言える続きがあった。家庭で教育できない部分を補うための「お教室」が人気だとか。世の中ばかばかしいと歌った歌手がこれまで何人もいたが、世の中本当にバカの巣窟になってはいけない。

◎プロフィール

●作者近況
さえき あさみ
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