講演の旅
2019年9月30日
とかちプラザで9月22日に講演会を開いた。「オベリベリのほとりで」を今年の春に刊行して販促になればと苦手な講演を企画した。「ザ・本屋さん」の主催で実現した。
話す内容をパソコン画像にまとめてプロジェクターで投影した。50分の講話はダイジェストになる。終わってみると、言い足りない部分に気づく。やはり本を読んでもらうのが伝わりやすいと思う。限られた時間内に話す事は難しい。
講演は今まで10回以上は経験している。穂別町、東伊豆町、松崎町、帯広市など。自分が講演をやることになるとは子どもの頃、想像すらできなかった。
こうなったのも小さな出来事の積み重ねが結果になっている。米国の人気絵本作家ターシャ・テュダーさんが「誰と会って、誰と会わないか。人生は小さな選択でできている」と述べている。しかりと思う。
新聞や地元誌にコラムを書き、1冊のエッセイ集になった。その後、開拓者の本を2冊出版した。本について話す講演につながっていた。
書くことの土台は読書から醸成されると私は信じる。話すことも言葉のアウトプットだから認識度が問われる。
穂別町は祖父が十勝に移住する前に住んでいた町だった。その町で15年前に講演ができた。駅の情景を見て祖父の顔が重なった。
4年前に依田勉三に関する本を出版して、伊豆在住の郷土史研究家のMさんから講演の依頼があった。松崎町の小中学校で生徒を前に講演をしたのはよい思い出となった。伊東市在住のS書店経営者や静岡県清水町のHさんと親しくなった。講演の後に大島に渡り島めぐりしたのも印象ぶかい。
2年前には東京の釣り友である介護旅行のS社長の仲立ちで東伊豆のお寺で講演ができた。地元の町づくりのメンバーが懇親会に集い楽しい食事と懇談が用意されていた。実行委員長を担ってくれたKさんには自宅に泊めてもらい親切にされた。彼女のおもてなしは生涯忘れることができない。
本を出版する図書コードを収得したので私は小さな出版社だが、販売額より印刷経費などが上回り利益はマイナスだ。だが、人生のかけがえのない無形なプラスになっているのは事実だ。
◎プロフィール
(よしだまさかつ)
旅で出会った人との文通、読者からの手紙、講演後の児童たちの感想文はうれしい。本を書いた苦労が報われる。