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エッセイSP(スペシャル)

まだ・・

たかやまじゅん

2020年4月20日

 若い頃、年配者を見ると〝年寄りだ〟と思った。いま自分がその立ち位置にあたる。昨年にKokiを迎えたことで、健康保険の個人負担額が2割になり、変わったからと言って、今のところ病院通いが増えることはない。
 家から街の中心部へ利用する交通機関に、ICカードを使っていた。昨年の誕生月に、札幌市営交通の優待敬老パスを支給される。都会に馴染んだ人を現す「シティーボーイ」を自認する私は、これ幸いと利用し、半年で規定のチャージ額を使い果たしてしまう。今月になり新年度分が届いたので、昨年と同じ轍を踏まないように気を引き締めるのだった。
 書店で、ひらがなとカタカナにローマ字を組み合わせた『すごいトシヨリBOOK』と言うタイトルが目に留まり、これは面白そうと迷わず買う。昨年、78歳で亡くなられたドイツ文学者でエッセイストの池内紀(おさむ)さんが、3年前に出され本だ。サブタイトルに「トシをとると楽しみがふえる」とあり、老いに抗わず、やりたいことを遣れるときに楽しむ。昔は人間50年だが今や80年、終焉まで自分と向きあう数々の術が書かれてあり、その一つ一つに頷き納得する。
 当世は昔と違い服装や髪型もおしゃれだ。日常たいがいはジーパン、冬はトレーナーとジャケット。夏はTシャツだが、いかんせん胴回りは隠せない。身に着けるのは明るい色を選び、髪に白いものはあるがまだ地毛であり、少しは若く見られてるのだろう。
 いま所属している団体では、75歳を超えてもかくしゃくとされ、その知識に畏敬の念を覚える方も少なくない。お陰で私は〝まだ若手〟と呼ばれている。もうではなく、まだと言うふた文字が何をか言わんや。前者だと先はないような意味合いに思え、後者ならこの先もあると希望が持てるのではなかろうか。
 この冬は少ない積雪だったが、雪が消え春先になると膝や腕に症状が現れる。これも今のうちにメンテナンスしておけば、まだ大丈夫そうだ。そして日頃から、言い間違いや誤記で冷や汗をかき、余計なこと言って冷や水を浴びてしまう。
 WHOの定義では65歳からが高齢者で、あと5年もすると私も後期・・に突入する。ところで、年寄りはいったい幾つからなのかと思ったら、童謡にある「村の渡しの船頭さんは~今年六十のお爺さん・・」の歌詞が浮かんできた。

◎プロフィール

〈このごろ〉春が来ると、本州の桜を愛でるのが愉しみだった。今年は世上の状況から、4月初めに予定していた〝顎足枕〟を全てキャンセルする。

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