No.1,423
2020年5月11日
グッとこらえ自宅待機のゴールデンウィークも明けた今号発売時、少しは先行きに安堵感が漂っていましょうか。
この連休中非常事態で繁華街軒並み休業体制下、車でパトロールしてみると建物ネオン消灯しているせいで総じて暗い。それは二年前全道ブラックアウト、停電時の記憶よぎりその分夕刻西の空は鮮やか、心情を反映し虚ろ気を感じつつもキレイ。あの時ボク達は、見上げる夜空に数多瞬く星に驚き、興奮し見上げた。そこから見えなくとも存在する視覚的に遮られた実像。そして、人々の切なる想い。今回信号こそ灯っているが、日頃の浮ついた気持ちを戒める宇宙の声が聴こえている気も。
だがやがて、この新型コロナ騒動収まり、又日常が戻った頃には経験上からも次第にこの神妙にして謙虚な感情は薄れ忘れ去る。それが本来の頭の構造で、そうでないと逆に人は生きては行けない。
たまにテレビなんかで、世界の古い文明都市インフラ。そのままでスッポリとザワザワ生活していたのであろう人々だけが、忽然と居なくなった廃墟を観る。今回のコロナを体現し、「大昔からこんな想定外の事態」らが、その栄えた土地から根こそぎ生物を除いてしまうのだろうと。分かり易くは世界数か所、原発事故周辺廃墟はリアルに見聞。
これまでも細菌にウィルス、気候変動に隕石落下火山爆発と数多の災害をよくぞ人類は増えたり減ったりしつつも生き延びて来たもの。動物園に行ってさえ、我々のご先祖は東アフリカからテクテクと、ライオンやトラなんかに絶滅されず世界方々へ散らばり此処まで生き延びて来たものだ、と。
今や、出会いがしらでは到底勝ち目のない動物たちの、食物連鎖の頂点に立ち、スーパーに行けば世界中の生物が集められラッピング提供されている。海のモノ山のモノ、鳥・豚・牛、世界中のレシピを再現し得るほどになれども、戦後の価値観逆転の如く。
学校9月始まり論とか「パラダイムシフトの予感」。ざわつき出した、戦後75年目の春。