買い物をする
2020年6月 8日
ショッピングセンターなどへ食料品を買いに行くと店員の対応ぶりが気になってしまうことがある。買い物をする行為は楽しみでもあり気分転換でもあるはずで、機嫌がわるければ行かない。商品を品定めしてはカートに入れる。ハンガリー製蜂蜜、デンマーク製チーズ、クラシック350㎖缶ビール6本セット、納豆、豆腐、野菜類他等々。そしてレジへ行く。不機嫌なスタッフがいれば気分など吹っ飛んでしまう。企業側は宣伝を一生懸命にやってるが、そんなことしなくてもスタッフ教育をきちんとやっていれば客は従いてくるのではないか。
2軒のお客のところへお土産に銘菓を持って行くのもいいが、時にはちょっと変えて何種類かのお菓子を持って行くことにした。買いに行くということは、お客の存在や表情などを思い、どうお渡ししようか、どう思ってくださるだろうか、などと考えている前提情景というものがあるのだ。さるショッピングセンターへ行き、コーヒータイム用にと袋入りチョコレート、カスタードケーキ、ビスケットなど数種類をカゴに入れ、それぞれ二袋に分けて包装紙で包んでもらうわけである。ただ買ってビニール袋に入れて、どうぞと渡すわけではないのだ。きちんと包装して的確な紙袋に入れてお渡ししてゆくのである。
レジ清算してサービスカウンターへ行き、「お遣い物ですので二つに分けて」と包装を頼む。眼の前のテーブルで二人の店員がするのを見ていると、包装紙を節約するためか小さくカットして包み始めた。それでは駄目で「すみません、もう少し大きい包装紙でお願いします」といったら、「これで包めますから」と口答えした。「いやそうではなく、もう少し大きい包装紙でちゃんと包んでほしいんです」。そうしてビニール袋に入れるが、それがギリギリの小さい袋に入れようとしているので、「それでなくもう少し大きめの袋があるのでそれにしてください」と伝えたら、「でもこれしかないんですよ!」といって嫌な顔をし、大きめの紙袋に入れて渡された。買い忘れがあったのでもう一度店に行くとき、家にあったその的確なビニール袋を持って来て「これです」と見せたら、「あぁ、これ!」。
明るさや礼儀正しさなどゼロだった。客がお遣い物として買い、それをどう持ってどう渡してゆくのかという想像性などあるはずもない。スーパーのオバちゃんにそういう三越や伊勢丹みたいな質を求めないし、無理な話だ。でももう少し基本として明るさと礼儀正しさが必要ではないだろうか。寂しい話だ。
◎プロフィール
帯広市出身。自営業。文筆家。趣味/映画・街歩き・旅・自然光景鑑賞。著書 銀鈴叢書『札内川の魚人』(銀の鈴社)。銀鈴叢書『歩いてゆく』(銀の鈴社)。