No.1,429
2020年6月22日
(3週連続、昨年のカラスと攻防60日間完結編)。
家周辺を縦横無尽に人を威嚇するカラス達と、不本意ながらも共生の日々。
裏口から庭に植えた花やミニトマトへ水をやりに出る度、いつものつがいカラスが姿を現し、ガァガァ敵対心あらわ。ホトホト嫌気さし変装用に大きな麦わら帽子を被り存在を無視する行動も、常に周囲の高台から見張られ、近くの子供の巣を守る本能には打つ手なし。それでもまだ直接車で出かける時は安心。なれど、徒歩で家を出る時にはヒヤヒヤ、「彼らの目の届かぬ場所へ到達するまで気づかれぬように!」と。実際武装もした、少しオーバーだがこれはもう、動物同士の生存本能の戦い「食うか食われるかの瀬戸際」戦。
カラスの繁殖期、人への攻撃は4月から6月頃に多いとの知恵袋も半信半疑。この先何年もこれが続くならばと絶望からカラスの天敵である「鷹」を調教して追い払う「鷹匠」に依頼せねばならぬか!とネット調べたり。数人に話したらば内お一人は「カラスに付きまとわれ怖くて近年引っ越した」との、ケースも身近に。
そうこうして、昨年のゴールデンウィークから始まったザワついた日々丁度60日目、6月の最終日のこと。その日も恐る恐る、警戒しつつ外へ出る。「ん?」、その時何か後方上から視線を感じる。静かに振り向きいつもとは違う木、裏手にそびえ立つ屋根よりも高い緑の枝に「黒い姿」。目を凝らすとそこにカラスが三羽行儀よく並んで鳴きもせず羽も動かさず、静かにコチラを見降している。明らかにボクを見ている、どこまでも無言で。その内にこちらも穏かな不思議な気持ちに包まれて来る。
それがその夫婦カラスと近辺で育ったのであろう子カラスとの、最後の場面でした。
それから一年後、2020年のゴールデンウィーク。又、始まるのであろうビビリの60日間を半ば覚悟して迎えました。しかし、今年は雀や見知らぬキレイな小鳥がやって来てはさえずっていますが、この6月後半になってもカラスは一切姿をみせていません。
了。