文筆作品を書くこと
2020年10月12日
人生を生きていて、人によっては何事か思ったことについて書きたいとペンを執ることがあるかも知れない。いろんなことを書いてみて、どうやって記していったらいいのかと思い悩むこともあるでしょう。そこでひとつの物事について書くということを教えることなど出来ない。人それぞれの人生や生き方があるわけで、側がどうこうということなど出来ないのではないか。いえるとしたら書くということの基本的な事柄くらいだろう。それ以上に突っ込んだ意見など述べるとしたら、それはその人の主観で伝えるようなもので余計なことになりかねない。
各種エッセイ教室のようなものがあって、受講生諸氏は盛んに勉強されているのだと思われるが、年代的にはわりと高齢者が多いらしい。どういう作品が多いのかと拝見させていただくと、介護、花壇、健康、旅行、家庭の事などのようなものが多いだろう。つまり言い換えるならば、人生を生きてきたことで心覚えのような話が多いのではないかと思う。そしてそれは微笑ましい感もある。書くことが難しいといいながらも、書く仲間がいて楽しいのだ。生活にも張りがあっていい。他がとやかく口を挟むこともない。子育てが終わった、定年退職された、などで余暇を利用して書くことに挑戦したいと思っても不思議はない。大方、趣味的に書かれていると思うがそれで結構なことでもあるだろう。
また作品講評というのがあり、講師は受講生が書いたものについて述べられる訳だが、中には作品にきちんと向き合っていないような講評を見かけることがある。これは受講生に対して失礼なことになってしまわないかと思う。執筆者は自分が書いたものについてどうなのかと、具体的なことを知りたいのではないだろうか。そしてまた講師が、もし書くことについてこう書かなくてはならないとかこうしなければいけないとかなど教えているようなら、如何なものかとも思う。本当のことを言えばそういうことは関係ないのだ。こう書かなくてはならないとかこうしなければならないなどというのはないのだ。習って書くとするならば、習ったような書き方になってしまうのだ。果たしてそういうことが正しいのかどうか。趣味として書くならばそれはそれでいいのかもしれない。ただ、習っても習わなくても文才があるかどうかは作品に表れているのではないか。やりたいように書きたいようにやればいいのだ。
ぼくは、いったい書くということはどういうことなのだろうかということをいつも心の底に持っている。
◎プロフィール
帯広市出身。自営業。文筆家。趣味/映画・街歩き・旅・自然光景鑑賞。著書 銀鈴叢書『札内川の魚人』(銀の鈴社)。銀鈴叢書『歩いてゆく』(銀の鈴社)。岡書イーストモール店で発売中。