No.1,510
2022年3月 7日
「想定を超える事態に遭遇」って、生きている内に誰しも幾度かは経験します。
情報錯綜下でテロとの闘い以外、リアル戦争推移を日々テレビで追うは今の人達に免疫なし。漠然と早々後退する印象であったウクライナのゼレンスキー大統領、毅然とした徹底抗戦。プーチン大統領は元より、世界中から見ても想定外、小さな巨人の様相呈し始め。こうして観ていると、『世界の警察』的睨みを利かす超大国、っていう存在も必要なのかもね。
そして『核兵器』。冷戦後に至り、人の理性は人類滅亡へと進む道を暗黙の内に回避するだろうという、実使用なしへの楽観論。「人間誰しもそれぞれに記憶の世界に生きている」ということを、プーチン大統領の頭の中を想像するに、まざまざと再確認させられ。
皆そうなのだよね、過去に引きずられて今を生きている。他の動物より脳を高度に進化させた筈の頭の中は、しかし過去に囚われて未来の行動が既定されいく。昔を懐かしみ良くも悪しくも、それは交流のあった人であったり体制であったり、空気感だったりする。辛い過去も楽しき過去も、その人によっては体内消化後プラスへもマイナスへも、方々なベクトルへと行動を促すマグマと化す。先人に倣うか、反面教師とするかは、各人の自由な心の選択。
さて、KGBなる道を歩き、東ドイツでベルリンの壁崩壊を体験したらしいプーチン氏の頭の中は、かつての偉大なるロシア帝国に囚われている、とも。彼の正義が、そこにあるとしたら、現在の力ずく侵攻は、まだまだ壮大なるロシア帝国再興の道中であり、天命と信じタクト揮っている。一体全体、いつからどんな具体的戦略を思い描き生きて来たのか。ここ暫らくの間に、強硬路線への転機があったのや否や。日露平和条約だとか北方領土問題、安倍前総理との二十数度に渡る会談時には頭の奥では何を組み立てて言葉を発していたのか。
米中露欧、紐づく全ての世界、戦力と経済力と威信力のせめぎ合い。
創造と破壊、は人の宿命でもあり。