はげむ・・
2022年4月18日
この冬はことのほか雪が多く、玄関前の雪山は日を追うごとに高くなった。それでも3月後半には、陽射しが暖かさを運んで来ると雪融けが始まる。やがて周りの視界が広がると気持ちも明るくなり、早朝からせっせと雪かきに励んだことすら忘れてしまう。
こうして巡る季節の中で、四方にアンテナを張り、見たり聞いたりしたことをエッセイやラジオの題材作りにしようと励んでいる。ところが、気になった言葉や思い付いた事柄を調べるようとするとそれが出てこない。そこで身の回りにメモ用紙と小さなノートを置いた。こうすれば気が付いたことや思い付いた折りに書き留めれば、後にパソコンやスマホでの検索も可能だ。
物事を進めるには〝受動的と能動的〟の二つがあった。つまり指示されて動くのと自ら進んで行動するとでは、自ずとモチベーションが違う筈である。
例えば、史上名高い「桶狭間の戦い」で、今川義元の大軍を迎える織田信長はどう判断したか。あのとき籠城をせず、攻めに転じ行動を起こしたことが、功を奏し歴史を変えた。
確か歌の文句にも「言われてはげむも修行なら、言われなくてもやるのが修行・・」とあった。やはり待つのではなく一歩でも二歩でも前に進む。追われるのでなく追うことで、先が見えて新たな発想も生まれ易い。こうした心持ちであれば、あらゆることが苦にならず、明日はコレをしてみよう明後日はアレだとワクワク感が沸いてくる。
4月になり、人気番組の火野正平〝にっぽん縦断こころ旅〟がスタートした。正平ちゃんの見る山や海と季節の移ろいは、しばらく遠出を控える身には嬉しいもので、同じ丑年の彼が自転車を漕ぐ姿は、私と重なりこころの励みになっている。
間もなく北海道は桜の季節を迎える。桜と言えば、京都で桜守と謳われた庭師の16代目佐野藤右衛門さんが、テレビの桜中継で年を訊かれ「還暦から34・・」と答えられた。「わからんから追いかける。わかったらおしまいや」と、桜を求めて全国を飛び回る矍鑠(かくしゃく)と励む姿に私淑する私は、まだ還暦から12なのだ。
◎プロフィール
〈このごろ〉ウィークリーブック「古寺行こう」が始まる。隔週で発売され完結するのは来年9月で40冊。これでまた終活とはほど遠い。