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エッセイSP(スペシャル)

コロナ感染

吉田 政勝

2023年4月24日

 昨年の12月6日は、カタールWカップで日本チームはベスト16を果たした。予選グループで優勝候補のドイツとスペインを撃破したのをテレビ観戦して私は熱狂した。
 その熱狂のせいではないが3日後に、体が熱っぽかった。さらに咳も出た。体温計をあてると37度5分を示した。私は新型コロナ感染を疑い、外出は控えて自室で早めに寝た。
 土曜日の朝、内科へ電話し、自分の症状を伝えた。その病院の駐車場で唾液を採取され、解熱などの薬が出された。翌日の午前、内科の医師から「コロナ感染陽性」と携帯で伝えられる。家族への感染を防ぐために、私は「医療隔離施設」を希望した。翌日の午後、迎えの車が自宅にきて、やがて帯広のホテルの裏口で降りた。感染防止シートの向こうから、机の上の袋をとるように係員が指示した。部屋のキーや体温計、施設で守るべき療養者の注意事項の書類が入っていた。
 食事は、室内に放送が流れてから、2階の弁当配布所に向かう。棚の弁当と飲料水を手に、自室に戻る。隔離生活ではテレビでニュースや映画「キネマの神様」が観れた。
 15日の夕方、「明日は退所になります」と電話で告げられ、部屋の片付けなど男性の声で説明があった。私は、
「スタッフの方々や電話で対応していただいた看護師さんによろしくお伝えください」と感謝の思いを述べた。
「うれしいお礼のことば。そう言ってくださった退所者は初めてです。スタッフに伝えます」と相手の声が上ずった。
 翌朝、入浴後に、お湯を流すと抜け毛が目立ったのでテッシュで集めて袋に捨てた。手がふれた部屋のスイッチや冷蔵庫の取手などを除菌シートで次々と拭いた。部屋をきれいに整頓してから、ふと思い出した。
 W杯サッカーでクロアチアに敗れた日本だが、ロッカールームはきれいに片付けられて「ありがとう」のアラビア語の手紙と折鶴が机に置かれていた。それにならって私も感謝のことばを紙に記し、折鶴を折ろうとしたが、そもそも私は鶴の折り方を知らなかった。 
 ちなみに隔離施設とは「アパホテル」。今度は客として泊まりたい。

◎プロフィール

心況(よしだまさかつ)
ホテル業務を停止して、コロナ患者を受け入れる「臨時医療施設」に機能させたホテル側に感謝の思いだった。 
泊まりたい。

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