記念日・・
2023年5月22日
数十年ぶりに結婚式の招待を受けた。この華燭の典を挙げる両人と初めて逢ったのは5年ほど前のことで、たまたまラジオ番組で一緒となり、その後何回か顔を合わせている。
昨年末、その二人が結婚すると知らされ、改めて届いた案内状には、4月22日に札幌市内で教会のあるウエディング会場と記されてあった。それが翌23日は奇しくも私たち夫婦の結婚記念日であり、しかも教会式だったことから48年前のあの日が浮かんで来るのだった。
人生の節目には、誕生日に入園や入学、成人から社会人へ、やがて結婚があってこれらは各々の記念日となる。そして公的な記念日として国民の祝日があった。この祝日はそれぞれ歴史的な背景により決められた。やはり馴染が深いのは成人式で、戦後間もない埼玉県蕨市の青年祭がルーツとされ、後に祝日法で昭和24年1月15日に始まり、敬老の日は昭和22年9月15日に現在の兵庫県多可町が発祥とされている。そして昭和39年の東京オリンピック開催日10月10日は体育の日となった。
これが20数年前からハッピーマンデーとして連休に設定されたのだが、昭和世代の私にはシックリ来ない。たいがい年が明けると成人した日が甦り、秋の日差しに祖父母を思い出し、澄み渡る青空の下では家族とテレビの前で釘付けになった入場行進が甦ってくる。果たしていまの世代はこれら祝日の謂れは知っている、いや知らされているのだろうか・・。
最近はこの祝日だけに止まらず、それぞれの業界などによる記念の日が設けられた。例えば、かつてベストセラーとなったサラダ記念日、他にドレッシングの日や野菜の日など枚挙に暇がなく、今日は何の日と紐解けば、365日が記念日で埋め尽くされる。これは1991年に「日本記念日協会」が発足し、審査を通ると登録が出来るそうな。
さて件の結婚式だが、北海道特有の会費制による大人数かと思っていたが、少人数のパーティーとなった。会場のスクリーンには、生い立ちや馴れ初めだけでなく、この日の模様を撮った映像が編集されて流れる。締め括りには列席者それぞれにお礼のコメントが映し出されて、なごやかな雰囲気を醸し出していた。
こうして二人が、今日の日を記念日として築き上げることを祈りつつ会場を後にする。
◎プロフィール
〈このごろ〉タンポポは茎の両端を裂くと反り返り、これが鼓のようで〝タン・ポ・ポ〟と音を連想し、江戸時代には鼓草(つづみぐさ)と呼ばれた。