食べる・・
2023年8月28日
3月のある日、チームナックスの森崎博之リーダーのひとり語り「アグリーマンショー」を観る。現在、日本の食料自給率は2021年度農水省データーによるとカロリーベースで38%、生産額ベースが63%だそうな。北海道は全国でも有数の生産量を誇り食料自給率向上に寄与してきた。舞台は芝居と歌に映像を交え、農業のあり方と食生活を提案する内容になっている。
かつて住んだ帯広は十勝平野の中心に位置し、じゃがいもにとうもろこし、そして小豆などの豊富な農作物が食卓を飾り、鮭にシシャモや昆布の魚介は酒の肴としても喜ばれる。開拓の頃から養豚も盛んな帯広は〝豚丼〟の発祥地でも全国的に知られ、さらに広大な放牧地で育まれた十勝牛は和牛ブランドの高級食材で人気が高く、牛乳は身近な健康飲料として親しまれてきた。
その帯広を訪れたのが春まだ浅い4月のこと。久々に大地の匂いを感じながら地元ならではの名物に舌鼓を打つ。件のショーを見た直後でもあり、食材や食文化について改めて考えさせられ、早速その月のラジオ番組でも野菜・牛乳・鮭など食べ物の美味しさをテーマに語った。
食べる事は子どもの頃から大好きで、これは今も変わらない。たいがい朝はパン、昼が麺類、夜にご飯ものが多い。そして必ず食べる前は、食材や調理への敬意を込め「いただきます」と自然に唱えていた。
この言葉は、食べ物に対してだけでなく、厳しい自然の中で種を蒔き育て、天候の変化に耐えながら収穫し、やがて全国に運ばれてそれぞれの店先に並ぶ。これが消費者の手元に届き、お店や家庭で調理され食卓に上がり、この間あらゆる課程で人の手が携わることに対して感謝する極上の表れと言える。
そして食後の「ごちそうさま」とは、漢字で御馳走様と書き、これはお客さまを持て成す時は、馬を走らせ食材を求め走り回り、調理することに敬意を込め御と様が加わったことに由来した。
ところで、最近は同世代の間で生活習慣病から食べ物を制限された話も少なくない。先般のドックの結果にも、塩分などを控えるよう食生活への注意事項が記されてあった。
アグリーマンショーでは、「生きることは、食べることであり、食材や食べ物を作る人の想いを知り、それを愛することだ」と締め括られた。
やはり美味しく食べられることが、生きるための証しといえる。
◎プロフィール
暑いでなく〝あづい〟。水と保冷剤で冷風を送る冷風扇を買う。窓に遮光カーテンを付け、
首元をアイスネックリングで凌ぐ。