No.1,593
2023年11月20日
32年間、同じモノを使っております。さて、そのモノとは何でしょう?答えは『車』、我が愛車なんだよね。
一般的に製造後30年程度の自動車を『旧車』と呼ぶらしいけれどちょうど、この週一のエッセイを書き始めた頃と同じ位に新車で購入、以来乗り続けています。
昭和の頃にはよく、「車の寿命は10年とか10万キロ」とか言ったものでしたが。こうして30年もの間乗り続けてみると、「相棒」とは良く言ったもので互いに齢をとり、時折に体の不調を感じ察しては治療を続け、互いにいたわりつつ。自動車だって痛い処があれば泣いて教えてくれるし、気分が良ければエンジンの回転音で答えてくれる。何よりも、こいつと共に過ごしたあらゆる〝まつわりごと〟の数々。〝人と場所との関わり〟の数々が、車体の凸凹に塗装具合の機微をもが、この身体を包んでくれる。普通に道路を観て走行していても、流石に同じ車種はここ数年来見なくなった。
それにしても現在の人々の自動車は皆ピカピカで、キズ一つない新車同然。もっとも、そこらに鼻水垂らして歩く児童も居なくなって久しいし、着ているものもツギハギなんかもワザと意識したファッションなのだと。
世の中の流行は全て循環します。だって次から次に新しい物を世に放たねば忘れられてしまう商売人達は、そうせざるを得ないから。ここに来て〝ビートルズ〟も新曲を発表しては、懐古主義を独走。各地で戦っている兵士に死傷者達も生身の人間で有り、アバターに取って代わっている訳では無い。生暖かい血が流れている。
さて、同じ自動車に32年間乗って思う事は先ず、意外にボクは〝ひとめぼれ〟を忘れない質なんだなー、ってこと。そしてあの頃の自分と現在の自分の「変わりの無さ」。「貫くもの、拘り」など、言ってみれば「スタイル」なんだろうが、一々口に出して説明はしないものの、コレが自分との一体感だった様な気がする。幸せだよ、この年齢まで貫けてさ。
さあー、雪降る前にワックス、だねっ。