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エッセイSP(スペシャル)

取締役諸氏も・・・

梅津 邦博

2023年12月11日

 秋も終わりを迎え、もう12月なのだ。あらゆるショッピングセンターなどは多忙を極めている。クリスマスに年末新春大売り出しにと、さまざまな戦略戦術によって動いてゆく。世の中の発展の為にも大型店は頑張っているというこになるのだろうとは思っているけれど、しかしあながちそうとはいえないところもあるのではという気もするのだが。
 ある日、近くのショッピングセンターへと買い物に行く。賑やかさや楽しさも広がりあふれてごった返して気分も浮き上がるだろう。客、スタッフ、たくさんのこれ見よがしに主張している商品、BGM、ポップ、ありとあらゆるサービス等々で世界は動いている。
 しかし店内を歩いて思うことがある。スタッフの中には明るさがなく対応振りも良くないのも見かける。人生上の問題があればそれは大変なことなのだが、なんとか少しでも明るく元気に仕事をしてゆかれることを願う。そうすればその方の為にもなるはずではとも思う。
 日本の伝統文化が薄れている最大要因に学校教育の在り方もあるが、大型店などの年末年始営業のせいもあるのではないかという気もしてくる。そうやって従業員をはたらかせてゆくことが、どこか殺伐としたスタッフがつくられてゆく要因でもあるのではないかという気もしてならない。
 人には生活感というものもある。クリスマスが過ぎると、気もそぞろに年末年始への思いが膨らんでくる。家族で買い出しに出かける。暮れが近づくと大掃除もしなくてはならない。なのにそんなにして働かせるんだったら、取締役諸氏らも現場で働いてはどうだろうか...。
 根幹の問題として、神、先祖、人、などについて考えてみることは決して無駄なことではないはずだろう。神仏とかいうものは重要なもので飾りではないのだ。落ち着いて接していかなければ、世の中が崩壊する原因になるということをどれほどの人々が想っているのだろうか。古臭いことを考えているつもりはない。やはり目に見える世界がすべてではないだろう。
 本当のところ経済第一の社会が果たして世の為になるのかどうか、確かに大事なことには違いないけれど...しかし熟考してみることは無駄なことではないだろう。

◎プロフィール

帯広市出身。自営業。文筆家。趣味/映画・街歩き・旅・自然光景鑑賞。著書 銀鈴叢書『札内川の魚人』(銀の鈴社)。銀鈴叢書『歩いてゆく』(銀の鈴社)。

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