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Bunちゃんのわかっちゃいるけどスピーキング

No.1,620

Bunちゃん

2024年6月17日

 先週号の「断捨離を始めよう」と先ずは本棚を眺めた心情からの続き。
 歴史的にも世の中の本好きの方は、同じ思いで人生の後片付け時には本棚に向かい合って来た事でしょう。数十年の自らの人生の断片々を思い起こさせ、一冊々手にする毎に表紙を開いては、その本を選んだ当時の心境がクロスする。そうして目次を目で追い、パラパラと目を通し始めると時間は止まり目的作業も止まる。
 よく文筆業の方々が、晩年に何処かの図書館や記念館に数万冊の蔵書を寄付する記事を目にする。本人の、そして残された遺族の意向として『後年有効活用して欲しい』との思いを込め。最後はそこに収まるのですよね。高名な作家は本人の書斎を再現した記念館に蔵書共々、ってケースも稀に。
 さて、それはそれとして私ら、ごく一般の読者層の家庭書棚にしてもサッサと進むものでもない。やはり手が止まり、読み直しが始まってしまう。古い週刊誌にしても同じ行為が起こる故に〝自分の生きて来た証し〟的にモノも自分と共に歳月を生きて来たと知らされる。本に限らず、レコードにCDにビデオ、アルバムに衣類に趣味のモノモノ達。近年は核家族化故に、更に残された家族方への負担を考慮し皆さん、そうした断捨離思考が強い。亡くなった後に託す遺族のいらっしゃらない方々は、更にそれへのプレッシャーは強い。
 人生って言うのは、生れ落ちた後から平面な地をシャベルで土を掘り、穴を開け深めていく様なもの。そして人生を終える時には、同じだけの土を埋めて平らにし、後の世代に明け渡したいもの。幾ら高望みの時期があろうとも、せめてはプラスマイナスゼロに達したい。「人間と生きいうものは20万年程度、脳の在り様は左程変わっていない」とも聞くがその間、よくぞ今の今まで命のバトンを繋いで来たものです。「歴史は繰り返す」の話どおり、変遷しながらも。だがこの先は、地球上では自然と動植物の関係性に、『AI』が加わる分岐点。

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