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エッセイSP(スペシャル)

プロフェッショナル 〜 走り抜くこと 〜

梅津 邦博

2024年8月19日

 令和5年夏に二つの洋画大作が公開されて観てきた。ハリソン・フォード主演『インディージョーンズ』とトム・クルーズ主演『ミッションインポッシブル』である。いずれも世界的ヒット作品のシリーズ物で息もつかせぬテンポで展開されている。それは楽しめるだろうし、面白かったけれどしかし何かちょっと物足りない気がしている。
 そう感じるのは2作とも、ラストシーンが打って変わって気が抜けたような情景に終わってしまっている気がしてあれでいいのだろうかと思う。役者を観るならば、「インディ...」の相棒役の英国俳優トビー・ジョーンズはとても味があっていい。あの小柄でなにか戸惑っているようなあるいは訳がわからないとでもいうような怪訝な表情が、おかしみも感じさせていてそれはなんともいえない雰囲気があっていいのだ。最高のアクターではないかとさえ思える。
 翻って帯広において夏の「平原まつり」は地方都市における最大のイベントであり、多くの観光客と共に賑わいに溢れ、七夕や盆踊り大会ほか各種あって歴史感も感じさせる。そして大道芸グループが登場してきていることで華やかな賑わいを見せてきているではないか。
 なかでも『ファニーボーンズ』というイギリス人のクリスと長崎出身のケーボーとの二人が、ストーリーにおいて演じるファンキー振りを通しての面白メチャクチャパフォーマンスは毎年観ているのだが、飽きないというところが凄い。ショータイムは50分くらいか。織りなすシーンは、先ず歩道の通行人との面白絡みの振る舞いから始まる。それはおかしさに破顔してしまう。そのあと周囲を取り囲むようにしている大勢の客の前に入り、さまざまな道具を駆使しながら抱腹絶倒のシーンを繰り返してゆく。そのファニー振りが可笑しくて面白く凄いではないか。溢れんばかりの観客は圧倒されて拍手喝采しながら日常を忘れさせてもらっているのだ。
 なんということか。ファニーボーンズはプロフェッショナルとして最後まで走りつづけたままでオフにしたのだ。二人共全身からまさに滝のような汗が溢れてきて止まらない。凄いとしか言いようがない。年上のクリスはいつまで楽しませてくれるのだろうかとも気になる。プロフェッショナルとはどういうものなのかと思えば圧倒されてならない。世界的作品の映画と大道芸ショーとは比較できないかも知れないが、最後まで走りつづけてゆくことはたいへんなことではないだろうか。
 今年も夏祭りが始まり、ファニーボーンズもまた登場されると聞いている。両手を広げて拍手で迎えたい。

◎プロフィール

帯広市出身。自営業。文筆家。趣味/映画・街歩き・旅・自然光景鑑賞。著書 銀鈴叢書『札内川の魚人』(銀の鈴社)。銀鈴叢書『歩いてゆく』(銀の鈴社)。

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