除夜の鐘
2023年1月16日
「昨年は大河ドラマで街も賑わったことでしょう? そういえば、養老孟司先生のお住まいも確か...」「ええ、駅で何度かお見掛けしたことがありますよ」 鎌倉から来たという中年のご夫婦が答えた。話すたびにめがねが曇るのが鬱陶しいようだ。「北海道は
賞 状
2022年12月26日
今年の重大ニュースが取り上げられる暮れである。国内では7月の参院選の演説中に安倍元総理が銃撃され亡くなったのは衝撃だった。Y容疑者の銃撃動機が報じられた。旧統一教会にYの母親が信者として高額献金をしていた後、Y家が経済崩壊した。その宗教団
返上・・
2022年12月19日
就職先が決まった18歳の夏、車の運転免許が必要とのことから教習所に通い、昭和42年9月25日に免許証を手にした。 昭和40年代の日本経済は上向きで、世の中が明るく会社も活気に満ち、中でも営業部門は花形であった。だが入社して直ぐに配属される
ドクターカジタ
2022年12月12日
大病院はどこもいつも満員である。その光景を見ているだけで鬱陶しさを覚えてしまうが、自分もその一人にはちがいない。人は年齢が進むに従って、身体のあちこちに不調を覚えてくることが多くなってゆくのは仕方がないことでもあるだろう。遠い昔は人生50
ダークイヤー
2022年12月 5日
結局三年たってもコロナの終息は見られず、令和四年も終わろうとしている。長いようで、慣れて過ぎてしまえばあっという間で、また「一年は速いね」という常套句の挨拶を交わしあう時期となった。この一年、国内外共に暗いニュースの多い年だった。 今年は
共に語る
2022年11月28日
10月のなかばころから胃腸が不調だった。食欲の秋なのに少食の日がつづいた。気づくとウエストが細くなり、70キロの体重が4キロも減っていた。その後、胃腸内科の診察をうけて、薬をもらって服んでいた。 この夏から、老朽化した家の片付けと引っ越し
自販機・・
2022年11月21日
日常で周りを見渡すと、至る所に色とりどりの自動販売機があり、最近は食品を始め多種多様な品揃えで、無人販売の最大のビジネスツールとして展開されている。 自販機の中でも一番利用するのは、やはり飲料系ではなかろうか。子どもの頃は、駄菓子屋でラム
晩秋から初冬
2022年11月14日
朝、窓外を見上げて、そして玄関から出る。 晴れ渡っていた。空はあまりにも透き通っていて高い。その水色の世界はかなりの高さがあって、眺めていると気が遠くなりかけてゆくような気がしてならない。ふうむ、と思う。地上に立っていて真上を見上げると、
思い出を呼び起こす
2022年11月 7日
フランシス・コッポラの映画『ゴッドファーザー』全三部作が、三週連続BSで放送された。第一作公開から五十周年記念企画だったらしい。半世紀の時を経ても褪せることのない大作だ。テーマ曲『ゴッドファーザー愛のテーマ』の美しくも物悲しい旋律は、裏社
よみがえる過去(後編)
2022年10月31日
前回の続編になるが、古い家の解体に向けて片付けが続いている。不用な家具は捨てられるが、思い出の写真はやはり残しておきたい。 その古い写真が出てきた。洞爺湖へ行ったZ社の秋の観楓会だ。ホテルの部屋の窓辺に立ち、浴衣姿の19歳の私が写っている