出かけるのだよ
2024年4月 8日
夕暮れの西日を眺め、ちょっと居酒屋へ行くべく街へ出かけることにした。家を出て20メートルほど歩いて、あ、ボールペンを忘れた。ショルダーバッグに下書き用のメモ用紙などは入っているがペンがないとどうしようもない。で、戻ってペンを取ってまた出る
オフには注意
2024年4月 1日
先日所用で関東方面に出かけた。この日真新しい靴下をはいた。なぜなら、空港保安検査場を通過しなければならないからだ。くるぶしを覆う靴は安全検査上、脱いでスリッパに履き替え、金属探知ゲートをくぐることになっている。過去そんなルールができて初め
安いニッポン
2024年3月25日
テレビで「youは何しに日本へ」という番組を時々視ている。治安がよく、日本の文化に興味を持っている外国人が大勢いる。海外旅行の観光地として日本に押し寄せている。「インバウンドツーリズム」という。 北海道ニセコ町が今や外国人のスキー客で西洋
銭湯・・
2024年3月18日
風呂屋は江戸時代初めに、伊勢松坂出身の与市が現在の東京大手町付近の橋詰めで、入浴料が一銭で入れる〝銭湯〟を始めたことに由来するそうな。 そして、子どもの頃に通っていた銭湯は、浴室のタイル壁に富士山と松原のペンキ絵が描かれて、これは大正時代
アラスカのカフェ
2024年3月11日
寒い毎日だ。2月のある日、行き付けのカフェに入るとテーブル席にカバンを置き、カウンターでコーヒーを注文する。 紙とペンなどを取り出し、エッセイの締め切りが迫っていて何かを書かなくてはならない。隣のテーブル席に20代なのか女性客がやってきて
冬は転んではいけない
2024年3月 4日
札幌はまだ雪に閉ざされたまま。今冬の異常な高温の繰り返しによって、氷の路面はいつになく危険だった。 とある日、妹から連絡が入る。サ高住で暮らす高齢の父が、転倒して肩を骨折したとのこと。あれほど一人での外出は禁止と厳命していたのに。駆け付け
わたしの仕事
2024年2月26日
イラストや文も書いてきたが、主に広告デザインを生業(なりわい)としてきた。自分の来しかたを振り返ってみると、やはり幼児期から絵本や漫画に親しんでいたからと思い返す。 私が4歳ころだった。母が親戚の家に泊まりながら、農協の豆選別の仕事でまと
映画館・・
2024年2月19日
本誌との繋がりは36年前になる。最初に掲載した書き出しは、「かつて映画が娯楽だった頃、どの町にも劇場があり・・」と映画館のことを綴っていた。その劇場=映画館は、昭和35年(1960)版の映画館名簿によると全国で7403館(沖縄を除く)あっ
銀座通り
2024年2月12日
昔、「二人の銀座」という歌謡曲が大ヒットした。明るく楽しくて華やかな曲だった。帯広に〈銀座通り〉という名の所がある。似てもいないが愛嬌だろう。その界隈に時折行く居酒屋があって通りからは以外にも目立たない感じで隠れ家風にも感じられていいのだ
五人に一人
2024年2月 5日
私の勤める福祉事業所は、一般企業での雇用が難しい障害者に働く場を提供している。地域の企業からの依頼で、軽作業も時々入るが、主な仕事は縫製だ。 昨年十二月、七十を過ぎたA子さんが入ってきた。聴覚障害者で、発音は僅かに理解できる。 事業所に見