お・み・や・げ
2013年12月 2日
晩秋の京都を訪れた。 相変わらず多くの観光客で、名所へ向かうバス停は長蛇の列だ。タクシーの運転手がどこへ行けば紅葉を見ることができるか教えてくれて、葉が色づく前の客への心遣いを感じさせてくれた。
招かれざる客
2013年11月25日
レンタルDVDで古い映画を観るのが好きだ。「招かれざる客」はアメリカの人種差別を扱っていた問題作だった。この広い地球で肌色の違いや宗派で人が対立する現実がある。そんな深刻な問題ではないが、現在の私たちの生活でもあまり歓迎されない客はい
識る・・
2013年11月18日
帯広を訪れるのは三度目となった。世情を勘案してか満席の高速バス・ポテトライナーは、道央道から千歳で道東道へ繋がれる。トマムを過ぎるころ、山肌が白くなり路肩に雪の名残りが見えた。 乗車して三時間後、帯広駅から友人の車で然別湖に向かう
美しき永遠の秩序
2013年11月11日
新聞社に勤める友人のヤマダ氏は東京に単身赴任中である。ぼくは上京すると、彼からありがたいことに居酒屋での飲食プラス社宅にて一宿一飯の恩義に預かったのです。そして彼の、 キヨクタダシク生きているさまに感嘆
手話という言語
2013年11月 5日
私の勤務している就労支援施設には体や心を患っている人達二十四人が通っている。そのうち聴覚障害者は八人で、全体の三分の一だ。 手話を学んでみたいと思いながら、聴覚障害者と接
恋の交渉術
2013年10月28日
お笑いのトーク番組が好きだ。その受け答えで、芸人の人間洞察や本人の人柄が露出するのでおもしろい。「人志松本のすべらない話」で、ある芸人が「先生が、日が暮れた帰りしなに、学校のプールでひと
足もと・・
2013年10月21日
猛暑の続く七月下旬、札幌市郊外のテーマパークで、縄文遺跡見学会があった。始まる寸前にスコール。バケツをひっくり返したような雨。雲の切れ間を見計い説明が始まると歩くたび足が重くなり、靴底が三センチほど泥で
過ぎし日々から
2013年10月15日
医者のイケダ先生は、静かな風情だが八十には見えないほど若くて役者的な存在感がある。バッハを聴き通し、ほとんど薄くなった短髪に眼光は意識がグッと表れ、相手の内奥を見ているような推理小説の探偵みたいにも見える。 人生に
あなたに伝えたい
2013年10月 7日
文化庁が2012年度国語に関する世論調査というのを発表した。今回初めてコミュニケーションに関する調査を実施したそうで、会話の際に不快に感じる理由を複数回答で尋ねたとのこと。男性は「言葉遣い」女性は「相手ばかりが話す」というのが最多だっ
作家 小檜山 博
2013年9月30日
早春のある夕暮れ時、帯広の街に春の雪が舞っていた。車を運転して駅前近くで信号待ちをしていると、帯広ワシントンホテル前から四、五人の男たちが現れて歩き出した。その中の一人がオーバーコートの