塀の中のベースボール
2013年9月24日
歴史から学べ、といっていたのは亡くなった評論家の草森紳一氏である。若いときに聞かされた教えであるが、今もそのことばが耳によみがえる。 十勝の歴史に詳しい人の筆頭にあげるとするなら、や
刻む・・
2013年9月17日
物心つくと家に振り子の時計があった。チクタクチクタク音がしてボ〜ンボ〜ンと数が時を伝えた。踏み台に乗ってギィーギィーとねじを巻いた感触が残っている。いま我が家の時計は静かでネジも巻かない。 小学生の
鯨人あらはる
2013年9月 9日
彼は眼光炯炯としてかつ穏やかな人物でもある。ヒヨワでイイカゲンなぼくのような者は、彼に会うと気持ち的にもどこか居住まいを正してしまう。会えば、「オオ、元気かよ」なんてケーハクな挨拶なんてしてられない。
ゴミ袋を運ぶ人
2013年9月 2日
このたび引っ越しをして生活が大きく変わった。長年住んだ家には物があふれていた。毎月の資源ゴミの日、心を鬼にして思い出の品を処分しようと向かうのだが、懐かしさに浸るだけでまた元の場所へ。そ
幾つも・・
2013年8月26日
萩、津和野、北陸が集中豪雨とニュースで報じられ、かつて訪れた場所の映像が次々と映し出された。一度足を踏み入れた土地はなぜか気になるものだ。 朝一番に観る天気予報にしても帯広が大雨と知ると「あの人どうしてるかな」と関わった人たちの顔
夏に向かう
2013年8月19日
暑い陽射しの下、疲れているせいで歩くのが遅い。涼みたくもあって帯広駅地下の市民ギャラリーで開かれている「第八十八回平原社展」を観に入った。そしてそこである作品に釘付けになってしまった。 油彩F40号『繋ぐ』酒森夏海氏作。何度か行き
浮遊する人
2013年8月 5日
札幌の近代美術館で開かれているシャガール展に行ってきた。 マルク・シャガールは現ベラルーシ生まれのユダヤ系の画家だ。生涯添い遂げた妻への愛と結婚をテーマにした作品が多いことから愛の画家と言われている。九十八歳まで生きた彼の後半生は
グルメグランプリ
2013年7月29日
7月の初旬に職場で「ご当地グルメグランプリが芽室で開催されるんだってね」となぜか急に女性たちが話題にし始めた。私は混雑するイベントに行く気がなかったが、あまりの盛り上がりに、案内チラシを
新聞配達少年
2013年7月22日
作家の佐々木譲さんや山本一力さんは新聞配達をしていた経験があるという。それを知ったとき妙に親近感を覚えた。私も中学時代に新聞配達をしていた。佐々木譲さんとは中標津や帯広で実際に会って食事をしたことがある。別れた後で、新聞配達の体験を聞
ひと言・・
2013年7月16日
三嶋大社の鳥居を潜ると池で鯉が群れを成していた。ここからほど近い楽寿園で菊人形展を観た覚えがある。「これが里見八犬伝の犬塚信乃、あれが犬飼現八だよ。そして犬山・・」と祖母に自慢すると「よく知ってるね」と