誤解
2013年2月11日
人は言語と感情と行動があることによってさまざまな陰陽が生じてゆく。当然のこと、何かにつけて他人についていろいろと考えたり喋ったりする。その何気ない言動に、不平、不満、批判、猜疑などが見え隠れし、勝手な思い込みによって誤解が生じている場
極寒のある朝
2013年2月 4日
一年前、外科病棟に入院して手術を受けた。そして退院となった。早春が近いその日は朝から落ち着かず、もうあと三日くらいはここにいるべきではないかな、などと思った。身内が車で迎えに来て、家へ向かった。快晴で空間は水色に輝いているなか、車窓か
さよならチビ
2013年1月28日
妻の声が、向かいの家の前を見て、と叫んでいた。いぶかしげにブラインドの間を押し広げて見ると、某動物霊園の名前の車が停まっていた。チビが死んだ、と直感した。 防寒コートをあわてて着ると、私は外に飛び出した。妻も後ろからやってきた。向
磨く・・
2013年1月21日
パソコンを使ったメールが多くなった。文字の小さい携帯より打ち易いからでハンドルネームには、かつて呼ばれていた愛称を用いている。その名は「平次親分」・・謂れはカラオケにある。 名古屋に赴任していたころ十八番はテレビ時代劇の主題歌であ
船のピアニスト
2013年1月14日
十二月、名古屋で用があって苫小牧からフェリーで往復した。一万五千トンの純白の船体にブルーラインが一周して描かれた「いしかり」は、夕焼けの天空に浮かび上がった黒いシルエットの伊勢湾岸自動車道を背景に滑り出した。ゆったりと湾内を進み、太平
サンタクロースになった少年
2012年12月25日
趣味のひとつが映画鑑賞で、家庭でいつでも観られるDVD映画は、忙しい私には好都合だ。過去に観た名作のベスト10をあげるとするならば「道」「欲望という名の電車」「草原の輝き」「エデンの東」「陽のあたる場所」「ひまわり」「老人と海」「ニュ
はーとふる・・
2012年12月17日
毎日、放課後ともなると教室からコーラスが流れて来た。土曜日曜は朝から聞こえその爽やかな歌声に癒され、直に聴ければとの想いで校舎を見上げていた。 たまたま学校の前を通り掛かった時、校門にいた学校の人に「いつも頑張ってますね」と思わず
どんよりとした曇り空の下で
2012年12月10日
器用さがなく生き方が下手なせいからか、気候に左右されることが多い気がしてなんだか原始的というか動物的な気もするのだが。そもそも人間というものはその生存している環境の影響を常に受けているわけで、そこを正しい思念で現実に対応することがまっ
霧多布岬へ
2012年12月 3日
仕事の繁忙期で連日遅く帰宅することがある。あるいは大きな計画をかかえて精神的にきつい日がつづくこともある。そんなあわただしい日々を乗り越えるために、私はがんばる自分へのごほうびを設定することがある。 4年前、勤めていた職場は夏が繁
いやしの風景
2012年11月26日
休暇の日は、日常とはちがう風景を見たくなる。長距離で街の信号を何度も止まるドライブは疲れる。やや近い距離を念頭に浮かべていると、南ふらのエリアが魅力的なスポットに思えてきた。秋の休日に狩勝峠を越えて、落合を過ぎると幾寅に至った。