うに丼と積丹ブルー
2015年8月 3日
平日の朝の札幌駅はいつも通り通学通勤の人達が忙しそうに行きかっていた。北口の団体旅行の集合場所付近だけは様子が違い、中高年が集まって楽しそうにお喋りをしている。今日は金曜日。休みを取って初めて日帰りバス旅行に参加するのだ。ツアー名は「
浸水
2015年7月 6日
「歳のせいか夜中に必ずトイレに起きるんだよなあ」 年配の人との会話の中でしばしば聞かれるフレーズだ。自分を密かに眠り姫と名付けるほど若い頃寝てばかりいた私も、50歳半ばで目覚まし時計不要の早起きが定着した。しかもすっきりと覚醒でき
ほどほど
2015年6月 1日
ある朝、職場の食堂のテーブルの上で可愛い花が咲いていた。艶のいい濃い緑の葉が鮮やかな黄色い花をさらに引きたてている。ヤチブキ。エゾノリュウキンカという呼び名の方が私は好きだ。職員の一人が採ってきたとのことで、その日の給食に早速ヤチブキ
隣の席の二人
2015年5月11日
美味しいピザが食べたいと思い、近所のイタリアンレストランを訪れた。ここは値段が手ごろで結構いいものが食べられるので気に入っている。以前は薄暗い店内で座席が細かく区切られていたため、他人の目を気にせずに何となく安心できたが、去年店内の改
綿・絹・麻
2015年4月 6日
以前お隣の庭に鮮やかなピンクの薄いシャツが物干し竿に揺れていた。その家のご夫婦は既に六十五歳を超えていて、普段は年齢相応な地味ないで立ち。和風の庭にひらめく派手なシャツは違和感がありその後何度か目にするたび気になっていた。ある日そのシ
出会いと別れ
2015年3月 2日
行かないと決めていたペットショップだったのに、何がそうさせたのか会社帰りふらっと入ってしまった。ケージの中の犬、猫の赤ちゃんたち。ガラス越しに目が合うとじっと見つめてくる。声をかけてくる店員さんには愛想のない顔をして、一通り見て回ると
物語の世界
2015年2月 2日
私が子供だった頃、今のように携帯電話もネットもゲームも無い時代。テレビも一家に一台が普通で、夜ともなればチャンネルは家長である父親が主導権を持つ。自室での娯楽といえば読書かラジオくらいのもの。小学校高学年ぐらいから周りには読書好きの友
新年の風景
2015年1月13日
いつもと変わりなく日が昇り沈む一日なのに、元旦の朝は違う。新たな一年が始まったというすがすがしい気持ちと、また一つ年を取るのかというしみじみとした感情。誰もが抱くであろう、そして年を重ねる分その思いが強くなっていくはず。 今年の三
金縛り
2014年12月 1日
深夜金縛りにあった。時計を見るとジャスト2時。 五十数年の人生で初めての経験だった。金縛りにあう人は繰り返し体験するという話を聞いたことがある。身近にそういう人も何人かいたが、その類の話は苦手だ。昼間でも聞きたくはない。耳を塞いで
おたる水族館
2014年11月 3日
行きたいなあと思いながらも行けずじまいになっていたおたる水族館。偶然にもこの二カ月連続で訪れることになった。先月は親族の法事の日、夜の会食までの空き時間を利用して一時間ほど。そして今回は職場の日帰りバス旅行で二時間ばかり。 季節は