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あの日の教訓

2021年7月 5日

 ハンカチ・ティッシュは持っているか。手の爪は伸びていないか。チェックするのが小学校の保健衛生係の仕事だった。週に二~三日、朝の会の前に抜き打ちで調べる。毎朝やればいいものを、抜き打ちというのが意地悪でいやらしい。でも週何度もやれば抜き打ち

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ちゃんと読んでください

2021年6月 7日

 好きな人はいないだろう。胃カメラ検査。 先日、二年ぶりとなる健康診断に行った。昨年はコロナが心配で一回パス。受診者が減っているせいかすぐさま予約が取れた。 空腹の朝一番で受付を済ませ、書類が入ったクリアファイルを片手に病院内あちこちスリッ

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旅の始まりはうどん

2021年5月10日

 一年ぶりの新千歳空港。いつも離陸一時間前にチェックインを済ませ、フードコートにうどんを食べに行く。旅立つ日の外食一食目はここのうどんに決めている。胃に優しいし、美味しいし、店のトレードマークの赤い花マルがいい。今から始まる旅が二重マルの大

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ぼっち

2021年4月 5日

 長いはずの冬も気付けば終わっていた。 外出がはばかられるこの一年、深夜番組『ヒロシのぼっちキャンプ』でエアキャンプに浸っている。お笑い芸人のヒロシが、ひとりぼっちでキャンプをする様子を淡々と映すだけの三十分。人のいない場所を探し、一人用テ

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表 と 裏

2021年3月 1日

 子供のころ日本には表と裏があった。今でいう太平洋側を表日本、日本海側を裏日本。子供心にも、裏日本という言葉はマイナスイメージが込められた軽蔑した呼び名だと感じていたが、間もなくその言葉は使われなくなっていた。 父が公務員で転勤族だったため

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思い出のスクリーン

2021年2月 1日

 六十年も生きていると思い出の引き出しも数多くありすぎて、目の前の雑事に翻弄されている間は、開けることすらままならない。しかし、何かのきっかけでふと遠い昔を懐かしむスイッチが入ることがある。苦い思い出に気持がざわつくこともあれば、ふんわりと

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めんそ~れは改めて

2021年1月11日

 昨年はコロナ自粛生活で終わってしまった。長いようであっという間だった。歴史に残る禍に侵された一年間、生きていただけでありがたいと思わずにいられない。 感謝しつつも、自分に課した品行方正な自粛というストレスが私を狂わせ、傍若無人にも悪あがき

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日常

2020年12月 7日

 忘年会シーズン到来。コロナウイルスさえ存在しなければ、賑やかで華やかで気ぜわしい師走のはずだっただろう。 この一年を振り返っても、何をやっていたのかよく思い出せない。2月末の北海道緊急事態宣言以降、マスクを手放せず、衛生面で気を配り過ぎる

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正社員か否か

2020年11月 2日

 二十代で一度転職をして、大手出版会社に勤めた時期がある。ちょうどバブル期の扉が開く頃。その会社も驚くべき成長の真っただ中で、数倍の広さの新社屋に移転したり、豪華な社員旅行が行われたりと、今では考えられない大盤振る舞い。私は中途採用で、正社

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ノスタルジー

2020年10月 5日

 ほぼ曇りガラスといっていい古びたガラスのショーケース。土台は傾いている。中の棚も左右といわず傾き、つまり全体的に歪んでいる。並ぶサンプル品は色褪せて、ラーメンの汁とどんぶりの間に隙間ができ、餃子も皿から浮いて埃まみれ。値札だけは現在の価格

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