デパート・・
2023年3月20日
帯広で永らく親しまれてきた百貨店の藤丸が閉館したニュースは記憶に新しい。同じころ東京の渋谷でも東急本店が幕を閉じた。帯広に住んでいた頃、休日に家族で買い物や食事を楽しみ、渋谷はかつて仕事で担当したので思い出も深く一抹の寂しさを覚える。 私
潮騒・・
2023年2月20日
日本は島国であり四方を海に囲まれ、人びとは波に乗り移動を繰り返しながら大地に根を生やし、文化や歴史を築いてきた。 私の生家は、潮風が吹き抜ける小田原の海岸沿いにあり裏手は一軒置いて堤防、その向こうは砂浜が拡がり、相模灘から打ち寄せる潮騒を
乗る・・
2023年1月30日
これまで仕事や帰省、そして旅行で飛行機や新幹線を利用し50年近く経つのだが、ウイルスによる自粛で控えていた。それが昨年末、3年ぶりの上京で乗ることが出来た。 座席に腰を埋めシートベルトを締め、新千歳空港からの1時間50分余は読書をしている
返上・・
2022年12月19日
就職先が決まった18歳の夏、車の運転免許が必要とのことから教習所に通い、昭和42年9月25日に免許証を手にした。 昭和40年代の日本経済は上向きで、世の中が明るく会社も活気に満ち、中でも営業部門は花形であった。だが入社して直ぐに配属される
自販機・・
2022年11月21日
日常で周りを見渡すと、至る所に色とりどりの自動販売機があり、最近は食品を始め多種多様な品揃えで、無人販売の最大のビジネスツールとして展開されている。 自販機の中でも一番利用するのは、やはり飲料系ではなかろうか。子どもの頃は、駄菓子屋でラム
あずき・・
2022年10月17日
和菓子の一つに餡ものがある。幼い日、祖母が小豆を煮ておやつに羊羹、春はぼたもち、秋にはおはぎを作ってくれた。その甘さは、口中に拡がると気持ちが癒され、口福をもたらしてくれたことを思い出す。 この小豆の国内三大産地が「北海道、丹波、備中」、
ソロバン・・
2022年9月19日
小学生の頃、親から「何れ役に立つ」と言われ、嫌々ながらそろばん教室に通わされた。最初は左側の珠を、右手親指と人差し指で1から10まで弾き、順々に右側まで繰り返すばかりであった。こうして珠に慣れると足し算と引き算、掛け算に割り算と難易度が高
3、三、尽くし・・
2022年8月22日
この夏は祇園祭の山鉾巡行、小樽の潮まつりなどが3年ぶりの復活と謳われた。この3年の歳月は、長いようだが過ぎてみれば短く思えてくる。 かつて「3分待つのだぞ」のCMが流行ったレトルトカレーやカップメンは、お湯を注ぎ仕上がるまでの3分をとても
ふろく・・
2022年7月18日
雑誌の「和樂」や「サライ」に、日本画の伊藤若冲や葛飾北斎の絵柄があるバッグやポーチが付いていると、思わず買ってしまう。この雑誌や本の付録に惹かれる気持ちは、昔も今も変わっていない。 子どもの頃に愛読していた「少年」や「少年画報」などの漫画
赤チン・・
2022年6月20日
その昔、男の子たちは路地裏や空き地に集まりメンコやビー玉、そしてチャンバラや西部劇の〝ごっこ〟遊びに興じていた。夏は半ズボンにランニングシャツ姿で、膝や腕のあちこちに生傷が絶えず、家に帰って水で洗うと母親が赤チンを塗ってくれた。これを仲間