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ご縁・・

2022年5月23日

 子どもの頃、家の周りは町工場が多く、そこかしこに折れた釘や鉄くずが落ちていて、紐で繋げた磁石を引きながらジャリ道を歩くと面白いほど集まってくる。これを廃品回収に持って行くとその日の小遣いくらいになった。 磁石はプラスとマイナスの二つの極が

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はげむ・・

2022年4月18日

 この冬はことのほか雪が多く、玄関前の雪山は日を追うごとに高くなった。それでも3月後半には、陽射しが暖かさを運んで来ると雪融けが始まる。やがて周りの視界が広がると気持ちも明るくなり、早朝からせっせと雪かきに励んだことすら忘れてしまう。 こう

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mask・・

2022年3月22日

 子どもの頃に観ていたテレビのヒーローは、普段は身近にいるオジさんやお兄さんだが、ひとたび事件が起きると布で顔を隠しマントを翻して正義の味方として活躍する。 これを真似したのが、当時の〝ヒーローごっこ〟であり、風呂敷を肩にかけ手ぬぐいでマス

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薬味・・

2022年2月21日

 蕎麦を手繰る際に欠かせないのがワサビとトウガラシで、素材を引き立てる脇役だが適度に刺激を与えてくれる。中でも東京〝やげん堀〟の七味唐辛子は、デパートの江戸老舗展が開催するのが待ち遠しかった。それは必ず薬味の調合師が来ているので、「山椒を効

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雪おんな・・

2022年1月31日

 雪のない温暖な土地で育った私は、子どもの頃から雪だるまを作るのに憧れ、ニュースで雪の便りを見るにつけ、行ってみたいと思っていた。それが今では、雪の朝に家の前で雪かきをする生活となり十数年経つ。日によって雪の降り方、時間で違う雪質なども分か

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来し方・・

2021年12月20日

 久々に東京の知人から、出張で来札するとの報せを受けた。その日は予定の時間より早めに出掛け、地下鉄すすきの駅から地上に出て、信号待ちの人込みから交差点角のビルにある行き付けの店に目を向けると、窓の灯りが見当たらず一抹の寂しさを覚える。 風の

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変身・・

2021年11月15日

 子どもの頃、テレビがあるのは町内でも商いをしている家であり、日暮れになると腕白どもが迷惑を顧みず、そこの居間に集まってくる。隣と肩が触れるのも気にせず、『これから始まる物語』を待ち焦がれていた。 画面の中から流れてくるメロディを耳にした途

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熟す・・

2021年10月18日

 秋の味覚と言えば、薩摩芋に栗と秋刀魚や鮭。果物なら葡萄や梨に始まり林檎、そして柿が美味しい。柿の中でも手に取った瞬間、思わずギュっと力を入れると指がめり込むような、熟した柿は大好物ひとつ。 子供のころ、小田原の在にあった祖母の家で、庭の柿

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結ぶ・・

2021年9月20日

 子どもの頃、家に戻ると郵便受けを覗くのが楽しみだった。それは今も変わらない。 誰かの便りや購読誌と会報など届くのが待ち遠しく、赤いバイクが家の前を通り過ぎてしまうとガッカリして、バイクの止まる音を耳にするとワクワク感を覚えた。 手紙を出す

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おぐし・・

2021年8月23日

 この夏は、曇るとジメジメした湿気が身体中に纏わりつき、青空の爽快感どころではない強い暑さに見舞われ、気温は連日30度を超えた。 歳を重ね髪に白いものが目立つが、幸いにも地毛を保ちフワッとした髪形をしてきたところ、汗っかきの私は外を歩く度に

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