社会が人間を作っている
2017年4月10日
早春の夕暮れ時、久し振りに街へ向かって歩いてゆく。風が少し吹き荒れて冷たい。その冷たさにいつものように自分という人間のしょうもなさが曝されているようでイヤだなと思う。 街へは飲みに行くのだ。飲むといったってせいぜいビール1本に日本
暮らしてゆく
2017年3月13日
テレビでコメディアンが相方の頭をたたいたり突然わめき散らしたりして客の笑いを誘っていた。話芸の難しさからなのかパフォーマンスでのおもしろさへ打って出ているのだろうか、一発芸にしてもそうなのか。時代の軽薄さと関係があるのではないか。
紳士神出鬼没
2017年2月13日
人の存在を感じさせるありようにはさまざまなことがある。たとえば歩いている姿にいろんなことを感じる場合があり、そういう時には奇妙であったり人間的濃密さがあったりするのだ。いったいぜんたいどんな人なのかなと興味をそそられることがある。
ナットウキナーゼ・ネバール人
2017年1月23日
近頃の納豆は美味しいとは思えない。小粒納豆など幅を利かせているようだが、妙だ。小粒とは大豆が成熟してゆく前の小さな段階のもので、大豆本来の旨味が出ていないものなのである。また、表示に「遺伝子組み換え大豆ではない」と記されているが、本当
美しき姿勢から
2016年12月12日
岐阜へ所用と観光を兼ねて母を伴い、千歳空港から中部国際空港へと向かう。 空港14番ゲートの受付テーブルスタンドに女性が二人いて男性も更に二人いる。その少し後ろ中央に一人の30代くらいの客室乗務員がスッと立っていた。胸のネームプレー
香り満ちあふれる空間
2016年11月14日
仕事を始める前にあるいは休憩時などに、気分でも鎮めるべく手軽に紙コップでもいいからコーヒーを飲みたいと思う。しかしそういう店があっても第一、味が合わないし、胃に靠れ感が生じてしまうのだった。 そんなある日、さる大手スーパーマーケッ
偉大にして不思議
2016年10月10日
母上は高齢なのだが、どうも世間のかあちゃんとは大きくかけ離れていて、それはまさに不思議にして偉大な御存在としかいいようがないのだ。 真冬の氷点下15度の日でも、時には1枚のセーター姿で晩のおかずを買いにショッピングセンターへ行くの
夏をさがして
2016年9月12日
二カ月くらいだか曇りと雨の日がつづいていた。オホーツク海高気圧が張り出していたせいで、太平洋側道東方面には晴れた日がほとんどといっていいくらいになかった。これほどまでなのは過去に記憶があまりないような気がしている。今年はもう夏らしい夏
追いかける
2016年8月 8日
人生もすでに半分過ぎてしまっている。それでもまだまだ若い気でいるし、元気だ。仕事をする、どこかへ出かける、何事かについて考えるなど、ただ若い時のようにはいかないということがある。ちょっとだけ力が弱くなってきているぶん気持ちは柔らかいと
風吹き荒れる
2016年7月11日
週末は健康のためになるべく車に乗らないようにしたい。出来るだけ歩くようにとは思っている。ところが、歩けば何事かが生きてゆくことの根幹に伝わってくる場合もある。 たとえば「風」が、頬を、髪を、手を、煽るようにして吹く。それによってぼ