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「平和園」で焼肉

2016年6月13日

 早春のある寒い夕方、焼肉を食べに一人で出かける。歩いて帯広駅前の『平和園』本店へ向かった。十勝の老舗で、手切りのジンギスカンなどが旨くて安いことで有名なのだ。いつも混んでいて一時間以上待つなんてことはよくある。  一人ですること

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さみしいな

2016年5月16日

 晩冬のある日々、カゼをひいていた。身に染みるようにわびしく物哀しい気分がしてたまらない。  茶の間のカーペットにて横になっていたぼくは、母上に、  「だるくて、つらくて、なんていうかさみしいな」  すると座卓で何かの資料のような

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ま、少しでも清く正しく

2016年3月14日

 蒲団をかぶって寝ようとする時や目覚めた時、顔の辺りに不快感があって、いくぶん大きく呼吸をするとざらついた空気が口中粘膜をさらに不快にさせる。つまりしばらく掃除をしていないからホコリっぽいということなのだ。科学的なことは知らないが、いっ

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戦ってゆく

2016年2月 8日

 いろんな出来事によって心に波紋が広がり、場合によっては襞が荒れることもある。それをなんとかして抑えようとして戦ってゆく。まるで水面下に潜っていて息が足りなくなり、呼気を整えつつ浮上しつづけているのに似ているのだった。  いろんな人間

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極寒の冬の寝起きは楽しい

2016年1月18日

 凍える冬の夜、寝る時間なので電気をすべてスイッチオフにする。うちは出かける時や寝る時は、ガス、ストーブ、水道、照明など必ず指差し確認してゆく。  そして、しんじょに入る。さむっ! 蒲団をはぐって被る。  (ううっ、冷てぇ&hell

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12月だ

2015年12月14日

 クソクラエだという気分が温泉の湯気みたいにもわぁっと湧き立っているような感じがしている。セイジョーな神経だからそうなるのだ。  セイジカが、カンリョーが、さまざまな目論見によって仕組みをつくって国民を働かせている。だいたいが人間は、

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皇居外堀通りでの肌寒さ

2015年11月 9日

 十月二日。ジャーナリストのS氏が席を設けてくれた新橋の「魚金2号店」へ行き、久し振りの再会をした。カウンター席にて立派な刺身盛り合わせが用意されてあり、ビールで乾杯する。お互い酒量はいけるほうではないが、彼が飲む場合はいつも意気込みと

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「理由があって」

2015年10月12日

 秋の夕方少し前頃の空には、どことなく夏の名残があって何ともいえない風情のときがある。日中は快晴でその勢いが夕方近くなってさわやかさがただよっていた。住宅街も繁華街もそれはどこか銀色っぽい明るさにも包まれ、なんだかヨーロッパ映画にでも出

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精神不衛生な夏だった

2015年9月14日

 仕事が低調な状態に何とかしなくては自分の存在そのものがなくなってしまうということに激しい不安と葛藤を描いていた。そうして数年前、新しく販路拡大を図るべく何度目かの再スタートを切った。大変な思いに晒されている日々のなか、三カ月、半年、と

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本を読まないことの恐怖

2015年8月24日

 本を読まない人が多い。いつからそんなふうになってきたのか、高度成長を経て幸福感があるような時代になってきたからなのか。食も生活用品も満たされてきている社会ではあるだけに、人間は快楽性を追い求めることで劣化してゆくのである。知性など皆無

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