仕事をするということ
2018年1月22日
以前、利用していたあるクリーニングの店に、おっとりとしていながらも客に気を遣うオバさんがいた。商品の仕上がり状態、シミ、ボタン欠落など細かくチェックする。そのちゃんと向き合っている姿にこちらは安心する。それがある日、定年ということで退
「ちばよしお&ノーチェ・アミーゴ」よ永遠に
2017年12月11日
20年以上前に竹内氏と知り合った。彼はクラシック音楽に詳しく、ぼくは折に触れてはいろいろと話を聞いていた。バッハ、ベートーベン、ブルックナー、マーラー他、魅力的で面白い。そして彼は楽器もやり、ビッグバンド「ノーチェ・アミーゴ」に所属し
やがて早春がくる
2017年11月13日
あんなに暑かった夏は疾うに南の方へ去ってしまっていた。今頃はどのあたりにいるのだろうか。その中心は沖縄のさらに南にあるのではないか。会いに行きたいけれど、そうはいかないだろう。これからは秋、そして冬へと向かって深く過ごしてゆく日々を送
静かなる激情の夜(2)
2017年10月16日
「もう一軒付き合ってよ」と言われて従いて行く。近くのスナックPという店に入った。5、6人用のカウンターと奥のボックスでは7人ほどの会社仲間らしい男女が陽気にカラオケを歌っていた。 Mはカウンターで石原裕次郎の「我が人生に悔いはなし」を
静かなる激情の夜⑴
2017年10月 9日
6月第一土曜日の夜。さる研修会があった岐阜から高速バスでバスターミナル「バスタ新宿」に着く。早稲田在住の親友Mから携帯電話があって、「迎えに行きますから新宿で飲みましょう」と言ってきた。ぼくが東京で就職して、翌年に宮城から来て入社した
鍵が掛からない
2017年9月11日
「あれ、おかしいな…」 いったい何がなんだか分からない。空港駐車場に着いて車から降り、スーツケースとセカンドバッグを出し、キーレスキーも嵩張るから家のカギ類だけ外して本体をドアポケットに入れて閉めた。そしてドアのキーボ
夏の空の下で
2017年8月21日
青い空のかなり高いところで、薄い繊維状の巻雲が天女の羽衣のごとく広がっていた。明るく感じられて見えるのは、自分がそれなりに明るくなってきているからそう思うのだろう。 一昨年の春頃からさまざまな問題を抱え、トーンダウンしてストレス状
息子と母との会話
2017年7月10日
某会社社長のK氏と赤ちょうちんで「福司」を飲みながら、人生のいろんなことについて話をしていた。彼は体格の良い存在からして堂々たる雰囲気があり、いつもニコニコして悪口や批判など言わず、誰からも好かれるような得な人物である。どうしたらそう
海へ山へと行くこと
2017年6月12日
山や海のシーズンともなれば心が浮足立つ。青い海や泳ぐ魚たちが呼んでいるから行く。太陽が燃えていて、水着姿で日光浴をしたり泳いだりする。あの美しい山の頂に立ってパノラマに接し、世界の大きさを自分のものにしたい。などというのは「妄想」以外
小学校時代
2017年5月15日
ぼくの家から東へ1丁ほど行くと「帯広市立光南小学校」がある。1学年5クラス、全体で30クラスほどある。ぼくは耳が少し遠いために、席は6年間通していちばん前だった。 1年生のある日の国語の授業中。佐藤幸吉先生が「教科書を読んでみなさ