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釣り友

2015年7月27日

 5月初めだった。  電話に出ると「アラン・ドロンさんですか」と男の声がした。戸惑っていると、寅次郎です、と名乗った。  お互いが笑い声になった。釣り友のNさんだった。彼とは7年ほど会っていなかったが、時々メールで冗談を伝えあってい

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釣りと人生

2015年6月 8日

 ある企業の社内報を手にとった。「これ見て」というH社長のコラムを読みはじめた。  「趣味の一つに釣りがあります。私の信条は単純で『魚のいないところでは釣れない』。当たり前のことですが、私は釣れないとすぐ移動し、餌を新しく付け替えます

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ひとり出版社

2015年4月27日

 4年がかりで書いてきた原稿が本になった。「流転・依田勉三と晩成社の人々」である。自費出版なので「モレウ書房」と名づけた。モレウとはアイヌ意匠でふくろうの目玉で厄よけの意味がある。  納品された日に、本を何度も手にとった。夜は布団に持

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JRタワーの35階で

2015年3月30日

 札幌で一泊した翌日だった。午前11時すぎにJRタワーの1階、ホテル日航ロビーで待ち合わせだった。二人の女性をさがした。  人込みのなかで私の記憶にある彼女らの顔を思い浮かべてロビーを見回した。私は長身で、風ぼうは激変していないので見

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ひとりだからこそ

2015年3月23日

 心理的に「自立」できていない人間は、どうしても一人で過ごすことができない……という。心理学の本に書いてあった。ふむふむ、と納得した。  自分の心は基本的に自分一人で支えないことには、どんな人に出会っても依

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札幌で

2015年2月23日

 このところ札幌へゆくことがあっても札幌ドームで野球観戦して帰るだけだった。したがって駅で降りて地下街や、すすきのを歩くことがなかった。  1月31日に、久しぶりでJRに乗って札幌へゆくことになった。午前9時発とかち4号は11時半に着

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裸みこし伝説

2014年12月22日

 暮れになると思い出す。「元旦0時めむろ発裸みこし」。10年前に終了した芽室の大イベントだった。  大晦日の午後9時ころから会場に集まり、白い又びきを履き腹をさらしで巻いて、白足袋で干支みこしを担いだ。除夜の鐘を合図に街を練り歩く行事

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高倉健さん逝

2014年11月25日

 11月18日の昼すぎに驚くニュースが飛び込んできた。俳優の高倉健さんが10日に亡くなった。  それからテレビに釘づけになった。健さんの出演映画を私は多く観てきた。その人柄も理解してきたつもりだったが、報道に接してあらためて健さんの人

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ビジター席で

2014年10月27日

 10月1日に「日ハム・楽天」の試合を観に行った。札幌ドームは、ほぼ満員だった。だが、私は日ハムファンでありながら楽天の応援席に座った。実は話はこうだ。  日ハムの最終試合を観たくなった。それで、ドーム観戦の企画をした会社に電話で申し

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おもてなし

2014年9月29日

 私が持ち歩くかばんの中に「吉田様」という宛名の茶封筒が入っている。これは1年ほど前に温泉フロントで接客していた時、自分に届いたものである。  ある日、職場の鍵のかかるひきだしに、私宛の封筒が入っていると同僚が気付いた。いつ?、誰が?

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