塀の中のベースボール
2013年9月24日
歴史から学べ、といっていたのは亡くなった評論家の草森紳一氏である。若いときに聞かされた教えであるが、今もそのことばが耳によみがえる。 十勝の歴史に詳しい人の筆頭にあげるとするなら、や
グルメグランプリ
2013年7月29日
7月の初旬に職場で「ご当地グルメグランプリが芽室で開催されるんだってね」となぜか急に女性たちが話題にし始めた。私は混雑するイベントに行く気がなかったが、あまりの盛り上がりに、案内チラシを
新聞配達少年
2013年7月22日
作家の佐々木譲さんや山本一力さんは新聞配達をしていた経験があるという。それを知ったとき妙に親近感を覚えた。私も中学時代に新聞配達をしていた。佐々木譲さんとは中標津や帯広で実際に会って食事をしたことがある。別れた後で、新聞配達の体験を聞
めまい
2013年6月24日
深夜業務で下を向いて後片付けをしていると、床が揺れている。早くこの部屋を出なくては、と思いよろめきながら扉を開けて通路からロビーに出ると揺れていなかった。同僚たちも、地震の話はしていない。揺れていたのは
ことわざ
2013年5月27日
「ユダヤ人のことわざ」という本を読んでいると、なるほど、と感心する。「無知が支配するところでは自分に英知があっても何の役にも立たない」という。また、「真実を語ると殴られる。ユダヤ人が正し
人生相談
2013年5月 7日
明治の新聞に掲載された人生相談を読んでいて笑ってしまった。おかしいものの、やはり当人には深刻だとわかる。 Aさんの相談。 父に死なれ、学費に困り大蔵省印刷局の女工に入りました。ところが男女の関係、局内の風紀の乱れたことは驚くこ
怒る人
2013年4月22日
眠れない夜はラジオを聴くことが多い。暗闇で目を閉じているとつい耳をそばだてる話題もある。最近、ラジオで聴いたこんな話に感心した。 中華料理の店にある男が入ってきて、ラーメンを注文した。ややすると運ばれてきたラーメンを口にした客は、
四十三年前
2013年3月25日
まちの図書館で本を借りようとして玄関にはいると左側にお知らせのパンフレットが並んでいた。その棚に「高橋揆一郎の文学」という文字が見えた。手にとると、北海道立文学館での展示会のチラシだった。 作家・高橋揆一郎氏は、2007年に亡くな
恩 師
2013年3月 4日
病院の待合室で自分の順番を待っていた。先週採血した、その検査結果が知らされる日だった。混雑する待合室で「中村悦雄さん」と呼ばれている。もしや、高校時代の恩師ではないか、と前方を見つめた。椅子から立ち上がり左へと高齢者の男性が歩いていっ
ごほうび
2013年2月25日
深夜勤務は、23時に売り上げの精算をしてから、後片付けである。何かのアクシデントがあると5分10分が、たちまち過ぎてしまう。24時の退社まで時計を見ながらの冷や汗の綱渡りである。 業務が終わると、お疲れさま、と同僚にねぎらいの声を